諸課題解決へ意見交流　道町村教委連が教育長部会研修会

（関係団体 2015-10-29付）

道町村教委連教育長部会研修会

　道町村教育委員会連合会は二十七日、ホテルライフォート札幌で本年度教育長部会研修会（三委員会・新任教育長研修会）を開催した＝写真＝。全道各地から百二十人を超える町村教委教育長が参加。講義や協議などを通して情報、意見を交流。当面する教育行政上の諸課題解決に向けて、研鑚を積んだ。

　開会あいさつに立った教育長部会の田中健一部会長は、本年度スタートした新たな教育委員会制度について、「全道百四十四町村のうち、現在までに三十七町村が移行し、来年度には七割以上が移行する予定」と説明。新たな制度を踏まえた道町村教委連の今後の方向性について、①現在の委員長部会を教育委員部会に名称を改め、教育長部会との二部会で運営②全国市町村教育委員会連合会、全国町村教育長会に引き続き加盟し、連携、研修に努める③規約の「役員は各地教委連の会長および教育長部会長をもって充てる」を、「役員は各地教委連の教育長の代表および教育委員の代表をもって充てる」に改正する―の三点を示した。これらについては、来年二月の役員会にかけ、五月の総会で正式に決定となる見通し。

また、来年度から実施される新たな教職員の人事評価制度にふれ、「学校設置者、服務監督者として、教員が仕事がしやすい、力量が高められるような教育環境を醸し出すのが我々の仕事」と強調。「そのためにも、研鑚することが何より必要なので、研修会で大いに情報交換するとともに、新しい課題について、共通した姿勢を貫いていくための場としていきたい」と呼びかけた。

　続いて、道教委の柴田達夫教育長が来賓あいさつ。「学力向上」「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」「児童生徒の生命および安全の確保」「コミュニティ・スクール」「ネットを含めた望ましい生活習慣の定着」「学校職員評価制度の見直し」「学校職員の不祥事防止」―など、本道の教育推進上の課題についてふれた。道教委として、「各教委の皆さんと十分連携を取りながら、本道の教育、子どもたちのために、しっかりとした施策を進めていきたい」との考えを示し、協力を要請した。

　研修に移り、文部科学省初等中等教育局教育課程課企画調査係長の鈴木智哉氏が「学習指導要領の改訂について」をテーマに講義。中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会教育課程企画特別部会の論点整理について、詳細に解説した。

　さらに、行財政、学校教育、社会教育の三委員会を実施。行財政委員会では、安平町教委の豊島滋教育長が「認定こども園の新設と役場機能の再編」、学校教育委員会では、雄武町教委の伊藤正己教育長が「雄武町における家庭・地域・異校種間連携の取組」、社会教育委員会では、長沼町教委の小西教夫教育長が「四町社会教育委員連携組織“由南長栗”（ゆな～く）について」をテーマに、それぞれ提言した。

　また、三委員会と同時に行われた新任教育長研修会では、道教委総務課の金田敦史主幹が「地方教育行政法改正を踏まえた対応について」、教育政策課の手塚和貴主幹が「教育のＩＣＴ環境整備について」説明、解説した。

(関係団体 2015-10-29付)