道社会科・生活科教育研究大会 多角的な視点で考えて 架空の条例案題材に―札幌市東栄中(関係団体 2015-11-02付)
道社会科・生活科教育研究大会公開授業
第六十八回北海道社会科教育研究大会・第二十五回道生活科研究大会が十月二十三日、札幌市立東栄中学校で開かれた。中学校社会科、小学校二年生の生活科および六年生の社会科の五授業を公開。うち、船渡川生子教諭が中学三年社会科公民「地方の政治と自治」の授業を指導。生徒は、条例を理解するときに必要な視点について、グループごとに考え合った=写真=。
公民「地方の政治と自治」では、前時までに、地方自治の制度について学んでいた。本時では、条例の在り方を通して、主体的により良い地方自治について多角的・多面的に考えることをねらった。
最初に、船渡川教諭は、札幌市環境局が作成したポイ捨て等防止条例のポスターを掲示。ポスターが伝えたいこと、条例づくりに中学生がかかわった事例について話し合わせた。
次いで、架空の「スノータイム実施条例案」を提示。積雪期間に中高生が朝の一時間、決められた地点を除雪し、面積によって学用品と交換できるポイントが付与されるもの。正当な理由なく実施しない場合は最大一万円の過料が科せられることを説明した。
「朝早く起きるのが嫌だ」「やらないとお金を取られるのが嫌だ」などの理由から多くの生徒が反対する中、「高齢者や体の不自由な人なら賛成するかも」という生徒の意見を受け、グループごとに八人の市民の立場になって条例に対する意見を考え合った。
高齢者の立場で考えた生徒は、「雪かきがつらいので、若い人にやってもらうと楽なので賛成」といい、中学生の息子がいる主婦としては「息子に体を動かしてほしいから賛成」と全体に発表。体を動かすことが好きな高齢者の立場からは「雪かきは苦にならないので条例には反対」などと述べていた。
船渡川教諭は「条例を考えるときに大切にしたいことは何か」と質問。生徒は、「それぞれの年齢層の考えを踏まえて皆が納得できるものにすべき」「だれにでも利益が得られるようにすること」などと応えていた。
さらに、船渡川教諭は、実際に条例案を提出するときに必要な動きを教科書で確認させ、札幌市の有権者数から約三万人の署名があれば請願可能であることを説明。「高齢者だけの署名でも請願できてしまうが、一部の世代だけのメリットで条例をつくっていいのか」と聞き、あらためて条例を考えるときに必要な視点について考えさせた。
最後に、授業の振り返りを記入させ、つぎの時間は財政の使い道について学ぶことを伝えた。
(関係団体 2015-11-02付)
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