道教委が幕別で移動教育委員会 管内教育の一層充実期待 人材育成・学力向上など議論(道・道教委 2015-11-02付)
道教委移動教育委員会
【帯広発】道教委は十月二十八日、幕別町百年記念ホールで移動教育委員会を開催した=写真=。柴田達夫教育長をはじめ、委員六人が出席し、管内の教育関係者など約七十人が傍聴。道教委が二十七年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書等について報告した。また、十勝教育局の上野靖局長が管内の教育概況を説明。柴田教育長は、今後の管内教育の充実・発展に期待を寄せた。
移動教育委員会は、教育委員会の会議を札幌市以外の地域で開催し、会議の公開を通じて地域住民に教育委員会の会議について理解を深めてもらうとともに、道民に開かれた教育行政の推進に寄与するため、毎年度一回、開催しているもの。
本年度は、幕別町百年記念ホールで開いた。十勝での開催は平成十八年以来、二回目となる。
会議に先立ち、十勝教育研究所で教育状況調査を実施。所員が研究所の概要の説明や施設内の案内などを行った。
会議では、道教委から、①二十八年度道・札幌市公立学校教員採用候補者の登録②二十六年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」における「いじめ」に関する調査の結果③二十七年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書(中間報告)―について各担当者が報告した。
①については、委員から、「指導力の高い人材が動くことで教育の質が大きく変わる。もっと人事交流を進めてほしい」「様々な経験を積んだ人材を採用することで、教育幅が大きく広がるのではないか。より広い範囲で多くの人が受験できるように工夫するべき」などの意見が挙がった。
②では、「いじめ問題を早期に発見できるよう、学校だけではなく、地域・家庭も一体となって考えていく必要がある」「いじめを発見するきっかけが重要。どんな小さいことでも、常に目を向けて未然に防げるよう取り組んでほしい」などと発言。
③にかかわっては、「小中の連携は、児童生徒の学力の向上だけではなく、教員の指導力向上にもつながる。学校間の連携をきめ細かく発信し、組織的に教育に向き合ってほしい」「短い時間でも効率的に学べる環境づくりや、学ぶ意欲を向上させる指導方法を考えていく必要がある」などの意見が出た。
このあと、上野局長が、十勝管内の教育概況を説明。管内児童生徒の学力の状況について、「国語、算数の平均正答率は、小学校、中学校いずれも全国と比較してわずかに下回っているものの、前年度に比べて改善がみられる」と分析した。
また、体力・運動能力状況については、体力合計点が学力同様に全国平均を下回っているが、運動やスポーツをすることが好きと答えた児童生徒の割合は、小・中学校いずれも全国平均を上回ったと説明した。
このほか、「学校力向上に関する総合実践事業」「高校学力向上推進事業」など、管内各校で取り組んでいる学校力向上に向けた事業を紹介した。
柴田教育長は「十勝は教育施設が充実していて、管内が一丸となって取り組んでいることが伝わってきた」と述べ、今後の管内教育の充実・発展に期待を寄せた。
教育状況調査も
なお、翌二十九日には、教育状況調査として、幕別町立途別小学校、帯広柏葉高校、帯広市立帯広第一中学校の三校で学校訪問を実施したほか、明治北海道十勝オーバル、帯広美術館の施設見学も行った。
(道・道教委 2015-11-02付)
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