青少年を守る道民フォーラムｉｎ札幌　正しい利用へ共通理解を　ネット有害情報対策へ講演や寸劇

（道・道教委 2015-11-05付）

インターネット上の有害情報から青少年を守る道民フォーラム

　インターネット上の有害情報から青少年を守る道民フォーラムｉｎ札幌が二日、ホテル札幌ガーデンパレスで開かれた。教職員やＰＴＡ関係者など約二百人が参加。講演会や演劇部高校生によるスキットなどを通して、インターネットの危険性や正しい利用について共通理解を図った。

　フォーラムは、道小学校長会や道中学校長会、道高校長協会、道教委などからなる道青少年有害情報対策実行委員会が主催。青少年のインターネット利用にかかる非行や、出会い系・コミュニティサイトの利用による犯罪被害、電子掲示板等への書き込みによるいじめなど、青少年の人権被害につながりかねない問題が深刻化していることから、教職員や保護者などを対象に、インターネット利用にもたらされる危険性を認識し、正しい利用について理解を深めてもらう目的で開催した。

　冒頭、実行委員長を務める道環境生活部の宮川秀明部長があいさつ。コミュニティサイトの利用による十八歳未満の犯罪被害が増えていることにふれ、「知識・経験が不十分な子どもたちがスマホを利用することで、犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性もある。様々な面からの対策が重要」と指摘した。

　実行委員会の設置趣旨やフォーラム開催の経緯などを報告し、「インターネット環境の理解を深め、それぞれの地域での取組を進めて」と呼びかけた。

　次いで、道警本部生活安全部少年課の安沢さとみ課長補佐が、道内のインターネットの利用による被害状況を説明し、道警の非行防止教室の活用やトラブルがあったときは電話やメール相談に応じていることも伝えた。

　引き続き、一般財団法人草の根サイバーセキュリティ運動全国連絡会の常務理事・事務局長を務める吉岡良平氏が「世代を超えたネット社会の課題～子どもたちのいまと将来に目を向けて」と題して講演した。

　また、札幌藻岩高校演劇部と札幌稲雲高校演劇部がそれぞれインターネットをめぐる人間関係についてスキットを披露。インターネット上にグループをつくって会話できるＬＩＮＥでの仲間はずれ、友達になりすました書き込みのトラブルなどを表現した内容で、道教委学校教育局参事（生徒指導・学校安全）の山田智章主査が解説した。

　山田主査は「ネット上の人間関係のトラブルを避けるためには道徳的知識をもつことが必要であり、コミュニケーション能力の発達段階に合わせて社会のルールや人との付き合いなどについて教えて」「道教委が委託して実施しているネットパトロールでは、二十六年度中に約一万一千件の不適切な書き込みを見つけており、その多くが個人情報の公開。ネットへの書き込みは消すことができずに、公開されていること、匿名ではないことを伝えて」とアドバイスしていた。

　このあと、人間性脳科学研究所長で脳科学者の澤口俊之氏が「子どもの脳をいかに人間性豊かに育むか～脳科学から見たいじめとその防止」と題して講演した。

(道・道教委 2015-11-05付)