道教委が高校教育検討委を発足 小規模校の在り方検討へ 年度内に方向性取りまとめ(道・道教委 2015-11-09付)
高校教育検討委員会が発足
道教委は、小規模校等における望ましい学校規模の在り方などについて議論する高校教育検討委員会および幹事会を発足させた。「新たな高校教育に関する指針」の成果や課題を検証するとともに、時代の変化に応じた高校教育の充実のための方策について検討し、年度内に小規模校の在り方などについて方向性をまとめる。五日に、道庁別館で初会合が開かれ、指針の内容や今後のスケジュールを確認し合った。
新たな高校教育に関する指針では、小規模校(一学年三学級以下の高校)を望ましい学校規模となるよう近隣の高校との再編を進めること、地理的状況等から再編が困難であり、かつ地元からの進学率が高い場合は地域キャンパス校化を図ることなどが示されている。地域キャンパス校において一学年の在籍者が二十人未満、離島にある高校で一学年の在籍者が十人未満となり、その後も生徒数の増が見込まれない場合は、再編整備することも盛り込まれている。
現在、道内に十九校ある地域キャンパス校のうち、第一学年の在籍者が二十人未満の学校は五校。今後も中卒者の減少が見込まれる中、半数の地域キャンパス校で恒常的に二十人を下回ることが想定されている状況となっている。
道教委では、国の制度改正によって、遠隔授業でも単位認定できるようになったことや、これまでの地域キャンパス校の取組の成果を考慮。広域分散型の本道の特性に配慮し、他の学校への通学が困難な地域にある高校については、小規模校のメリットを生かしつつ教育環境を充実し、存続を図ることができる方策について検討を進める必要があると判断。
このため、庁内に検討委を組織し、現行の指針の成果や課題を検証するとともに、通学が困難な小規模校の在り方についての方向性を示すこととした。委員会は、新しい高校づくり推進室参事(改革推進)の相馬哲也参事を委員長とする計七人の委員で構成。その下に、各課の主幹十人からなる幹事会を設置した。
第一回会合では冒頭、成田祥介新しい高校づくり推進室長があいさつ。これまで中卒者の減少に対応し、一定規模の生徒や教職員による活力ある教育活動を展開する観点から、高校の配置を検討してきたと振り返り、「人口減少社会への対応や地方創生の観点から、地域の教育機能を確保することも重要な課題」「地域の高校教育への期待は大きく、高校の存続が地域の活力につながっているため、危機感を強くもっている」と指摘。再編基準の在り方、地域と連携した教育環境の充実、高校の魅力を高め選択される高校づくりについて、枠にとらわれないアイデアを求めた。
このあと、検討委の趣旨や小規模校の在り方、今後のスケジュールなどを確認。指針の項目ごとに各課で成果と課題を十二月下旬までにまとめること、十二月中旬に幹事会、来年一月中旬と二月に委員会・幹事会を開き、年度内に小規模校の在り方などについて方向性をまとめる。
(道・道教委 2015-11-09付)
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