名寄市教育研究大会開く　心豊かな児童生徒育成　小・中学校で１４授業公開

（市町村 2015-11-17付）

名寄市教育研究大会

　【旭川発】名寄市教委主催、名寄市教育研究所（馬場信明所長）主管の二十七年度市教育研究大会が十一日、市立風連中央小学校と市立名寄中学校で開催された。同研究所の研究主題は「心豊かに、たくましく生きぬく児童生徒の育成」。風連中央小で算数科四授業、名寄中で道徳や数学など十授業を公開した。うち、名寄中一年一組道徳の時間「正義を重んじる」（高橋理教諭、生徒数三三人）では、葛藤する主人公の立場になって、どう行動すべきかグループで考える授業を展開した＝写真＝。

　同研究所の研究主題のもと、風連中央小は「自ら考え、確かな学力を身に付ける子の育成～算数の楽しさを実感する授業」、名寄中は「学びをつなぐ生徒の育成～対話と協同を生かした授業実践と学習習慣の定着を通して」を研究主題に掲げた。

　このうち、名寄中では、①教師と生徒②生徒と生徒③学校と家庭―の三つの接続を重視。①では、授業における目標と振り返りの板書による可視化などに努めた。③では、学習規律の徹底および毎時間の点検評価を実施。加えて、全生徒を対象に家庭学習ノートや宿題プリントの提出によって、家庭学習の習慣化を図った。

　三年計画の二年次に当たる本年度は、②を重点に設定し、学び合いを生かした授業を追究した。

　この日、名寄中で計十授業を公開した。うち、一年一組道徳の時間「正義を重んじる　４―（３）」では、創作資料「ぼくは見なかった」を使用。親しい友達の兄が運転する車が猛スピードで走り去ったのを目撃した主人公「秋男」。あとで、人が車にひかれたことを耳にし、犯人が友達の兄かと疑う。通報すると友達が迷惑するため、友情か正義を取るか悩む話となっている。

　本時では、主人公の葛藤を話し合うことで、「正義」「公正・公平」について、道徳的に思考しながらどうすべきか判断・理由付けすることをねらった。

　導入では、登場人物の関係について整理した上で、高橋教諭は「自分が秋男だったら警察に通報するか」と課題提起。生徒に「する」「しない」の立場を明確にした上で、理由などについてグループで交流させた。

　つぎに、『私たちの道徳』を用い、年齢が上がるにつれ、友達を注意できなくなっていることを示したデータを提示。そうした事例について、これまでの生活を振り返って生徒に話し合うよう促した。

　生徒は「悪いことは見逃してはいけない」などと感想を述べていた。高橋教諭は「これからもいろいろな経験を通して、自分で正義の判断ができる大人になってほしい」とまとめた。

　公開授業後、全体会や教育講演会を開いて、研鑚を積んだ。

(市町村 2015-11-17付)