ニセコ町教委の教育行政執行方針―菊地教育長説明　ＡＬで「分かる」授業へ　農業・観光融合した人材育成

（市町村 2016-04-04付）

ニセコ町教委・菊地博教育長

　【倶知安発】ニセコ町教委の菊地博教育長＝写真＝は、町議会定例会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。中では、アクティブ・ラーニング（ＡＬ）導入による「楽しい」「分かる」授業づくりや、ニセコ高校において農業と観光を融合した産業人の育成に向けた教育内容の充実を進める考えを示した。特別支援教育では関係者が連携し協議、対策を進める町教育支援委員会の効果的な運営・推進を図っていくことを明らかにした。

　執行方針のうち、「確かな学力の育成」にかかる概要はつぎのとおり。

▼教育課程の編成と実施

　「よく分かる授業」「集中できる授業」による学習意欲の向上、確かな学力育成のため、学習指導要領を踏まえ適切かつ社会に開かれた教育課程の編成と実施に努める。チーム・ティーチングや少人数教育、習熟度別指導、コンピューターや情報通信技術の有効活用など、多様な指導方法に取り組む。

　ＡＬの導入等、児童生徒一人ひとりが主体的かつ協働的に学ぶ授業の実現に努め、「楽しい」「分かる」授業づくりに取り組む。

　国の全国学力・学習状況調査等の結果を活用した指導方法の工夫改善を図るとともに、小規模校ならではの教育を生かす複式教育の充実も進める。

▼高校教育の推進

　ニセコ高では、農業と観光を融合した産業人を育成する教育内容の充実を図り、地域との密接な連携のもと、町民に信頼され、地域の未来を担い貢献する人材育成、学校づくりに引き続き取り組む。

　緑地観光科としての特色ある教育課程の編成と実施を進めながら、農業クラブ活動や校内プロジェクト活動など、生徒の主体的な活動の振興を図る。

　農業の学習では、学校圃場を活用し、野菜や花の生態を学び、健康に育て収穫する知識と技能の習得を目指すとともに、観光の学習では、ホスピタリティを念頭に、観光ビジネスに関する知識と技能の習得を目指す。

　今後の学校運営の財源確保に向け、授業料を導入する。国の高校等就学支援金の活用を前提に、授業料の実質的な無償化を継続しつつ、安定的な学校運営に努める。

▼特別支援教育の推進

　幼児期に作成する個別の教育支援計画をもとに、特別支援学級の設置運営や「ことばとまなびの教室」への通級指導のほか、特別支援講師の配置、指導を行う。

　特別支援教育にかかる就学奨励制度の運用を行うほか、教職員を中心に関係者が連携し、協議、対策を進めるニセコ町教育支援委員会の効果的な運営を図るなど、学校が連携し、一貫した支援を進める体制の充実に努める。

(市町村 2016-04-04付)