地域の災害対応能力向上で道 避難所運営ゲーム作成 全市町村に配布、講師養成研修も
(道・道教委 2016-04-07付)

 道は、「避難所運営ゲーム(HUG)北海道版」を作成した。地域住民や教職員が避難所運営を疑似体験し、真冬の避難生活の過酷さを認識できるゲーム。地域の災害対応能力の向上をねらう。二百五十セット作成し、道内全市町村および各振興局へ配布。市町村職員等を対象とした講師養成研修会も開催する。道総務部危機対策課では、「実際の避難所となる学校の教職員と地域住民が一緒に行うことで、地域の実情に合った課題について考えてほしい」と期待している。

 避難所を運営するに当たって、発災後数時間から数日間における様々な事象への対応をカードゲームとして疑似体験することを通じ、避難所運営を自分事としてとらえ、自らの備えや地域の防災対策の課題を見つけやすくすることをねらい、道がHUG北海道版を作成した。

 作成に当たっては、道および道教委、気象台職員、有識者などで構成する「ほっかいどう防災教育協働ネットワーク」で協議を重ねてきた。

 愛称は「Doはぐ」で、静岡県が平成十九年に開発したゲームをもとに、本道ならではの積雪寒冷の観点や東日本大震災の教訓を付加。講師用の解説書も作成し、カードのユニバーサルカラー化など誰にでも理解できるよう工夫した。

 一グループ四~七人程度で行い、最大六グループまでできる。各グループで二百五十枚のカードを順番に読み上げて進行。カードは三種類あり、年齢や性別、ケガの有無などそれぞれが抱える事情が書かれた避難者カードを使い、避難所の体育館や教室の平面図を見ながら、避難者にどこへ行ってもらうかを考える。

 このほか、イベントカードの「換気のために窓を開けてもいいか」「高校生と中学生に手伝いできることは」などの質問や、情報提供カードの「気温が氷点下十度まで下がり、暖房のない部屋の室温は五度くらい」など、避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを検討する。

 ゲーム終了後に各グループで対応を振り返り、ほかのグループと比較することで地域の避難所運営や防災の課題を見いだしていく。

 教育効果として、避難所生活を見据えた自らの備えの見直し、地域や避難所の備蓄内容の見直し、避難所運営マニュアルや役割分担の見直しを挙げる。道総務部危機対策課では、実際に避難所となる学校の教職員と地域住民が一緒にゲームに取り組むことによる地域の災害対応能力の向上に期待している。

 二百五十セット作成し、道内全市町村および各振興局へ配布するほか、道危機対策課や各振興局から学校への貸出も行う。市町村職員等対象の講師養成研修会などで普及していく。

 五日の一定道議会総務委員会で報告し、今後の普及方策などについて審議した。

(道・道教委 2016-04-07付)

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