道立文学館28年度展覧会日程 「佐藤泰志の場所」など(道・道教委 2016-04-07付)
道立文学館の二十八年度展覧会日程がまとまった。特別展は「〈青春の記憶 夢みる力〉佐藤泰志の場所(トポス)」など四本開催する。ファミリー文学館は「ワン!ニャン!どっちも大好き」を開催し、親子で楽しめる絵本コーナーなどを企画。「常設展アーカイブ」コーナーでは、新所蔵資料や同館コレクションの資料を、テーマにしたがって年五回(第一~五期)に分け、常設展示室内で紹介する。観覧には、常設展の観覧料が必要。
二十八年度の展覧会日程はつぎのとおり。
【特別展】
▼「〈青春の記憶 夢みる力〉佐藤泰志の場所(トポス)」
▽23日(土)~6月19日(日)
▽内容=佐藤泰志(一九四九~一九九〇年)は、函館に生まれ育った現代作家。十七歳のとき、『青春の記憶』で有島少年文芸賞優秀賞を受賞。上京後も気鋭の作家として活躍し、『きみの鳥はうたえる』などで五度にわたって芥川賞候補になっている。
四十一歳で自らの命を絶ったが、その作品に込められた人間と社会、熱い思いが読者の心をとらえ続けてきた。その足どりをたどりながら、「全存在作家」として疾走した佐藤の見た風景と文学世界を生原稿などの貴重な資料を通じて紹介する。
▽観覧料=一般五〇〇円、高大生二五〇円、中学生以下と65歳以上は無料
▼「ミッフィーのたのしいお花畑~ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展」
▽6月29日(水)~9月4日(日)
▽内容=ディック・ブルーナは、オランダで最も有名なグラフィック・デザイナーであり、絵本作家の一人。一九五五年に誕生した絵本の主人公・ミッフィー(うさこちゃん)は、世界中で愛されてきた。
同展では、特に「花」と「植物」にスポットをあて、それらが登場する作品や、日本では未刊行の絵本『はなのほん』(一九七五年)、併せて独自のスタイル確立へのきっかけをつくったペーパーバック(大人向け推理小説)の装丁の仕事も紹介する。
▽観覧料=一般七〇〇円、高大生四五〇円、小中生三〇〇円
▼「二〇一六年の宮沢賢治―科学と祈りのこころ」
▽9月17日(土)~11月16日(水)
▽内容=宮沢賢治の童話や詩には、少年期から培われた自然への観察力、その後学んだ自然科学の知識とともに、法華経の救済思想が深く浸透している。
同展では、『グスコーブドリの伝記』を中心に、東北の農村を救済しようとした宮沢の「科学と祈りのこころ」を読み解くとともに、丸五年が経過した東日本大震災という大規模な災害の経験を踏まえて、今この物語をどのように読み、何を受け継ぐことができるのかを考える。
▽観覧料=一般七〇〇円、高大生四五〇円、小中生三〇〇円
▼「手仕事の日本と民藝の思想」
▽29年2月4日(土)~3月26日(日)
▽内容=柳宗悦(一八八九~一九六一年)は、暮らしの道具に美の本質を見いだし、民衆的工芸の思想を標榜する民藝運動を主導した思想家として知られる。
同展では、民藝思想を深める中で著した柳の著作や資料をはじめ、芹沢銈介や棟方志功など民藝運動にかかわった作家たちによる染色や版画作品のほか、益子焼や津軽こぎん、沖縄の壺屋焼なども併せて紹介する。
【ファミリー文学館】
▼「ワン!ニャン!どっちも大好き」
▽12月1日(木)~29年1月22日(日)
▽内容=文芸作品に描かれている犬や猫の姿を、同館所蔵品から紹介する。親子で楽しめる絵本コーナーや簡単手づくりコーナーも設ける。
▽観覧無料
【常設展】
▼「北海道の文学」
▽29年3月31日(金)まで
▽内容=百三十年余りの歴史の中で育まれてきた北海道の文学。小説、詩、短歌、俳句、川柳、また、アイヌ民族の口承文芸、さらには、児童文学や評論、随筆など、それぞれの分野で生まれた珠玉の作品を展示。
▽観覧料=一般五〇〇円、高大生二五〇円、中学生以下と65歳以上は無料
【常設展アーカイブ】
▼第1期「装丁で楽しむ北海道の文学」
▽12日(火)~6月19日(日)
▽内容=北海道作家の本のビジュアルな要素に注目し、文章とイメージの相乗による魅力を紹介。
▼第2期「紙芝居―戦中・戦後」
▽7月5日(火)~9月4日(日)
▽内容=同館所蔵の紙芝居の中から、戦中・戦後のものを紹介。
▼第3期「文学館の中の美術―宮崎丈二」
▽9月13日(火)~11月7日(月)
▽内容=北海道の詩人と交流のあった詩人であり、画家でもある宮崎丈二の作品を紹介。
▼第4期「北海道ゆかりの文学者 二〇一六年の主な受賞とトピックス」
▽11月22日(火)~29年1月15日(日)
▼第5期「北の手仕事あれこれ」
▽29年1月31日(火)~3月26日(日)
▽内容=装丁本や染絵など、手仕事の魅力を紹介。
(道・道教委 2016-04-07付)
その他の記事( 道・道教委)
道総合教育担当班28年度執行体制
道総合政策部政策局の総合教育担当班は、本年度、新任の佐々木徹局長のもと、参事・主幹・主査・主事を合わせて八人体制で職務に当たる。 地方教育行政の組織および運営に関する法律(地教行法)の...(2016-04-07) 全て読む
アクティブ・ラーニング調査研究プロジェクト 旭川市朝日小ほか5校の研究成果③(完)
【アクティブ化シートB(一単位時間レベル)】 アクティブ・ラーニング(=AL)の視点を取り入れた授業を全教科、全時間の同じ時間配分、同じ流れで授業を行うことはできない。授業のねらいを達成...(2016-04-07) 全て読む
27年度青少年の意識・意見調査結果報告書―道 相談相手は「友達」が65.2%で最多 「いない」は7.8%と増加傾向
道は、二十七年度青少年の意識・意見調査結果報告書をまとめた。悩みごとを相談する相手は、「友達」が六五・二%と最も多く、「相談相手がいない」は七・八%で増加傾向にある。「ネット・携帯だけの友...(2016-04-07) 全て読む
地域の災害対応能力向上で道 避難所運営ゲーム作成 全市町村に配布、講師養成研修も
道は、「避難所運営ゲーム(HUG)北海道版」を作成した。地域住民や教職員が避難所運営を疑似体験し、真冬の避難生活の過酷さを認識できるゲーム。地域の災害対応能力の向上をねらう。二百五十セット...(2016-04-07) 全て読む
学校司書の配置促進で道教委 教科指導の支援など提示 実務中心に初の手引を作成
道教委は、『学校司書の手引』=写真=を作成した。道教委の二十七年度新規事業「学校司書配置促進事業」の一環で、初めて作成したもの。「教科指導等への支援の在り方」など六章構成で、実務的な内容を...(2016-04-07) 全て読む
特別展5事業を計画 道立函館美術館28年度実施計画
【函館発】道立函館美術館は、二十八年度の展覧会事業の実施計画をまとめた。本年度、開館三十周年を迎えるに当たって、道内外から多くの人に来館してもらえるよう、魅力ある事業展開を計画。特別展では...(2016-04-06) 全て読む
アクティブ・ラーニング調査研究プロジェクト 旭川市朝日小ほか5校の研究成果②
【アクティブ化シート】 アクティブ・ラーニング(=AL)の視点を取り入れた授業を考える上で注意すべきことは、ALは「この方法しかない」「すべての教科やすべての学習場面で取り組まなければな...(2016-04-06) 全て読む
道教委が通常学級における実践事例集作成 特別支援教育の視点生かし モデル校など34校の取組掲載
道教委は、『通常の学級における特別支援教育の視点を生かした〝実践事例集〟~一人一人を大切にした学級づくりと、どの子にも分かりやすい授業の充実を目指して』=写真=を作成した。モデル校など三十...(2016-04-06) 全て読む
グローバル人材育成で本年度―道教委 U18フォーラムを開催 独自の英検開発へ協力校指定
道教委は、本年度から「北の未来を担うグローバル人材育成事業」に着手する。道内と海外の高校生が、ICTなどを活用して討論などを行う「U―18未来フォーラム」を開くほか、本道独自の英語検定を開...(2016-04-06) 全て読む
「横山大観展」など7本 近代美術館の28年度展覧会日程
道立近代美術館の二十八年度展覧会の開催日程がまとまった。本年度は、島根県安来市にある足立美術館のコレクションから、近代日本画の巨匠・横山大観の「紅葉」や「山海二十題」など、初期から晩年に至...(2016-04-06) 全て読む