道いじめ問題審議会が第１回会合　問題解決・予防の両輪で　取組成果を分析する議論必要

（道・道教委 2016-04-26付）

学校と地域が一体となった取組の大切さなどを確認

　道教委が設置する道いじめ問題審議会（宮﨑隆志会長）の二十八年度第一回会合が二十二日、道教育大学札幌駅前サテライトで開かれた＝写真＝。道教委がいじめ問題に対して取り組んできた内容を報告し、いじめ根絶に向けた学校と地域が一体となった取組の推進の大切さなどを確認。委員からは「道教委の取組の結果、どのような成果があったのかを分析する議論も必要」などの意見が出された。

　道いじめの防止等に関する条例に基づき、二十六年四月に設置した審議会で、今回は任期満了を迎える最後の会合。八人の委員が出席した。

　冒頭、道教委の梶浦仁学校教育監があいさつ。全国的にいじめを苦にした重大な事案が発生する中、「未然防止、早期発見、早期対応を大切にしている。依然として一〇〇％解決できていないが、常に前進していかなければいけない」「いじめは、どの児童生徒にも起こり得るという緊張感をもって社会全体でいじめ問題を克服していきたい」と、問題解決的アプローチと予防的アプローチの両方の側面から取り組んでいく必要性を強調した。

　このあと、道教委がいじめ問題に対して、取り組んできた内容を報告した。いじめ問題に適切に対応する教職員の資質能力の向上に向けた啓発資料として、『いじめの積極的な認知に当たって』『学校等におけるいじめの発生状況等の効果的な公表に関する事例』『いじめアンケート調査の適切な実施に向けて』などを配布したことを報告。

　いじめの認知について、「初期段階のいじめや短期間で解消したいじめ事案も認知件数に計上すること」「児童生徒が嫌な思いや苦痛を感じている場合はいじめとして認知すること」などの留意事項を示したほか、いじめアンケートの結果や防止策の公表によるいじめ根絶に向けた学校と家庭との連携強化、いじめ根絶に向けた学校と地域が一体となった取組の推進の大切さを述べた。

　このほか、道独自のアンケート調査、昨年十月に設置した道子ども相談支援センター、スクールカウンセラー活用事業、ネットパトロール、いじめやネットトラブルをなくすメッセージコンクールなどを行ってきたことを報告。高橋はるみ知事と柴田達夫教育長が連名で「いじめをなくし、夢と希望が広がる未来を子どもたちに」と題したメッセージをことし四月に公表したことについてもふれた。

　委員からは、「地域の人がいじめを見て、学校に通報して判明した事例があるため、いじめの調査に当たっては地域の人も入れてほしい」「問題を学校だけで抱え込まないようスクールカウンセラーの活用を小学校に周知してほしい」などの要望が出されたほか、「道教委の取組の結果、どのような成果があったのか分析的議論も必要」「本道のいじめの認知の特性についても検討しては」「ネット上のトラブルはケーススタディを含めた実態把握をすべき」など今後の方向性についても話し合った。

(道・道教委 2016-04-26付)