道高校学力向上実践事業に着手―道教委 学力テスト作成へ77校指定 新たに拠点校4校でハイレベルセミナー
(道・道教委 2016-04-28付)

 道教委は二十八年度、道高校学力向上実践事業に着手する。二十五年度から三ヵ年計画で行った「道高校学力向上推進事業」を発展させ、①三つのモデルを設定した学力テスト・教材の開発・作成②ハイレベル学習セミナー③授業実践研修④道高校学力テスト⑤学習支援員の派遣による学習サポート―の五本柱で進める。うち、「学力テスト・教材の開発・作成」にかかわっては、推進校十六校、協力校六十一校を指定し、担当する教科・科目の実践研究を行うとともに、学力テストを作成。実践教材・学力テスト開発にかかる全道協議会を六月と十二月に開く。道内一ヵ所で行っていたハイレベル学習セミナーは、全道セミナーのほか、新たに地区セミナーとして拠点校四校がそれぞれ年三回開催する。

 同事業は、すべての生徒に対し、学力の三要素をはじめとした、これからの時代に求められる力を育成するとともに、高校教育の質の確保・向上を図るため、能力・進路等に応じて、対象や目的を明確にした、①コアアビリティモデル(Cモデル)②ベーシックモデル(Bモデル)③アドバンストモデル(Aモデル)―の三モデルを設定。各モデルに応じて、授業や家庭学習等で活用できる実用的な教材の開発や、生徒の学習内容の定着状況を把握するための学力テストを実施し、本道の高校生の学力向上を図るもの。

 事業実施期間は二十八~三十年度までの三年間。

 Cモデルでは、選抜性のある大学への進学を希望する生徒を除くすべての生徒を対象に、学科の特性を踏まえながら、これからの時代に求められる力のうち、教科にかかわる最低限必要な学力(コアアビリティ)を身に付けさせるとともに、教員を対象に、「仮称・高校基礎学力テスト」への対応などについて検討する機会を設ける。

 国語、数学、英語、職業に関する教科(農業、工業、商業、水産)について全道で七校の推進校および十三校の協力校を指定する。

 Bモデルは、大学入試センター試験または仮称・大学入学希望者学力評価テストを課す選抜性のある大学への進学を希望する生徒を対象に、大学進学に必要とされる学力を身に付けさせるとともに、教員を対象に仮称・大学入学希望者学力評価テストへの対応についても検討する。

 国語、数学、英語、地歴、公民、理科で六校の推進校、三十九校の協力校を指定する。

 Aモデルは、北大や東北大、医育大学など選抜性の高い大学への進学を希望する生徒を対象に、当該大学への進学に必要な学力を身に付けさせる。推進校は国語、数学、英語について三校、協力校は九校を指定する。

 推進校では、各モデルにおいて担当する教科・科目の指導内容や指導方法について、実践研究を行うとともに、担当する教科(国語、数学、英語、職業に関する教科)の学力テストを作成。協力校は、推進校と教材を作成し実践研究するほか、学力テストもつくる。

 また、推進校と協力校では、外部講師等による生徒向けの特別講義および教師向けの講演会も行う。各校は、年二~三回のモデル別・教科別教材等作成会議、六月・十二月に開く実践教材・学力テスト開発に係る全道協議会に参加する。

 推進校および協力校で作成した学力テストは、すべての道立高校一年生および中等教育学校四回生を対象に実施する学力調査の問題として活用する。

 このほか、北大や東北大、医育大学など選抜性の高い大学への進学を目指す生徒を対象に、進路実現に向けた学力の向上と進学意欲の高揚を図るハイレベル学習セミナーを開催する。

 道立高校一年生および中等教育学校四回生を対象に、来年一月五~八日の三泊四日、ネイパル深川で全道セミナーを行うほか、新たに地区セミナーを企画。拠点校四校が各地で年三回実施する。

 このほか、教員の教科指導力の向上および主体的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの授業改善を図るため、優れた教科指導力を有する教員等を講師とする授業実践講座も開催する。国語、地理歴史・公民、数学、理科、英語について全道四ブロックで行う教科指導講座と、国語、数学、英語について各教科二会場で行う進学指導講座を展開する。

 学習支援員の派遣による学習サポートも実施。国の教育支援体制整備事業費補助金を活用し、学習の定着や学習意欲が十分でない生徒を支援する学校サポーターを、学業不振を理由とする中途退学者や不登校生徒が多い道立高校を指定して派遣する。

(道・道教委 2016-04-28付)

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