古平町教委の教育行政執行方針―成田教育長説明 読書活動の充実など展開 マラソン大会等で体力向上を
(市町村 2016-04-26付)

古平町成田昭彦
古平町教委・成田昭彦教育長

 【小樽発】古平町教委の成田昭彦教育長=写真=は、第一回定例会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。学校司書の勤務日の拡大や授業前の朝読、家読運動などを通して、読書活動を充実させる考えを示した。このほか、「ふるびら通学合宿」や「早寝・早起き・朝ごはん」運動、「全校校内マラソン大会」などを引き続き行い、学力・体力の向上を図る方針を表明した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼確かな学力を育む教育の推進

 小・中学校の教職員が連携して九年間を見通して、子どもたちの授業での理解や程度に応じてきめ細かく指導する習熟度別学習や、いわゆる「中一ギャップ」をなくすことを目的に、乗り入れ授業を取り入れるなど、町教育研究会の「小中連携プロジェクト」事業を積極的に支援する。

 放課後や夏・冬の長期休業期間を利用して行っている「補習タイム」を、引き続き教職員の協力を得ながら実施し、子どもたちの苦手意識の克服に取り組む。

 社会教育の立場から、学校、家庭支援を目的に行っている「放課後ふるびら塾」については、引き続き町民ボランティアの協力をお願いし、基礎・基本学習の定着を社会教育の立場から家庭学習の習慣化が図られる体制づくりに取り組む。

 全国学力・学習状況調査の結果をもとに、「ふるびら通学合宿」を実施し、家庭学習を最低限「学年×十分以上」の習慣化を図るとともに、「早寝・早起き・朝ごはん」運動のさらなる徹底化を図り、子どもたちの生活リズムの向上に取り組む。

▼豊かな人間性を育む

 小・中学校それぞれにおいて、発達段階を踏まえた体系的な道徳教育の重点目標を定め、豊かな心の充実を図る。

 読書活動は、昨年度から臨時採用で学校司書を配置している。本年度は勤務日数を拡大し、引き続き、利用する際の相談やアドバス、図書に関する専門的な知識をもとに、教員をサポートするなど、親しみやすい学校図書室づくりに努め、児童生徒の豊かな感性を醸成する図書活動に取り組む。

 同時に、学校支援を目的に、小学校低学年を対象に行っているボランティアによる読み聞かせや、小・中学校とも授業前の時間を利用した朝読や家読運動を積極的に推進する。

 「道NIE推進協議会」が、「新聞活用」「新聞づくり」「新聞機能学習」を展開しているNIE活動の実践校指定について検討する。

 社会科副読本『古平の町』を活用した学習を取り入れたり、毎年小学六年生がテーマを決めて行っているふるさと学習の結果をもとに、町づくりのアイデアを町に提言している「子ども未来会議」や、中学生の町内職場訪問・体験などの総合的な学習を取り入れたりして、体験を通して学ぶ教育の推進に努める。

 「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を分析すると、跳躍力や俊敏性が優れている一方で、筋持久力、柔軟性、走力が劣っている状況。小学校で行っている「全国校内マラソン大会」を支援するなど、子どもたちの体力向上への取組を一層充実させる。

 学校給食については、各学年に栄養教諭による食育授業を取り入れ、食に関する自己管理能力を身に付けさせるよう取り組む。

 特別支援教育においては、「小・中引継ぎシート」の活用を図るなど、保護者や関係機関と連携し、一貫した指導・支援に向けた取組を推進する。

▼開かれた学校づくり

 いじめ問題については、「町子どものいじめ防止に関する条例」に基づき、関係機関とのネットワークを組み、迅速に対応する。

 不登校問題については、学校と不登校児童相談員の情報交換を密に行い、一体となって取り組み、児童福祉関係機関など連携を図る。

▼教職員の資質能力の向上

 後志教育局指導主事による授業訪問や、各研修機関が開催する講座などへの積極的な受講を奨励し、授業改善、指導力の改善に生かす指導方法研究に取り組めるような職場環境づくりに努め、特別支援教育振興会や校外生活指導連絡協議会など、学校と関係機関が連携する組織の運営に積極的にかかわり、活動の充実を図る。

(市町村 2016-04-26付)

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