新十津川町教委の教育行政執行方針―久保田教育長説明　ＴＴで学習効果向上図る　通学費助成、奨学金貸付も

（市町村 2016-04-28付）

新十津川町教委・久保田純史教育長

　【岩見沢発】新十津川町教委の久保田純史教育長＝写真＝は、定例町議会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。学習支援サポーターや学力向上推進講師を活用し、複数体制によるチーム・ティーチング指導を推進するとともに、大学生や教職員のボランティア等による長期休暇中の学習サポート「やまびこ」を継続する考えを表明。また、遠距離通学する高校生等を対象に、新たに通学費の助成を実施するほか、大学や専門学校へ進学する生徒に対して奨学金の無利子貸付を行う方針を示した。

　教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の充実

　小・中学校の主体的な取組を一層推進するとともに、「学習支援サポーター」「学力向上推進講師」を積極的に活用し、複数の教諭が役割を分担して指導する「チーム・ティーチング指導」を実施していく。

　さらに、長期休業中の学習サポート「やまびこ」を継続して行い、学ぶ喜びをたくさん感じることのできるきめ細やかな学習指導を進めていく。

　本年度は、教育振興会の事業で教諭の学習指導力の向上を図るため、道外における学力上位小・中学校の特色ある取組や指導方法などを研修する「学力向上先進校視察研修」を実施する。

　中学校生徒の英語授業の支援はもとより、小学校児童にも一年生からの学習で、あいさつなどの会話から英語に親しみ、外国の生活や文化などの知識を高めるため、外国青年招致事業を継続していく。

　他人を思いやる心、生命や人権を尊重する心、正義感や公正さを重んじる心、自然や美しいものに感動する心など、人としてとても大切な情操を養うため、道徳教育の充実に努めていく。

　特に、中学校の特設道徳授業では、ハンセン病の偏見と差別をテーマにした朗読劇を鑑賞し、人権を尊重する心を育む。また、芸術鑑賞授業では、芸術を理解し大切にする心や豊かな感性を育んでいく。

　いじめは、どの子にも、どこでも起こり得るものとして認識し、雨竜町と共同設置の「新十津川町・雨竜町子どものいじめ対策委員会」を開催し、いじめが起きないための取組について、情報を共有し万全を期していく。

　児童生徒の読書環境の整備を進め、健全な教養を育成するため、小・中学校兼任の学校図書館司書を一人配置する。

　高校等の生徒に対する支援として、本年度から遠距離通学する生徒を対象として通学費の一部を助成する。さらに、大学や専門学校への入学や修学を支援するため、奨学金の無利子貸付を行う。本年度から貸付額の増額と返還期間の延長を行い、若者の夢実現とその家族のサポートを行う。

▼社会教育の充実

　小・中学校やＰＴＡとの連携を図りつつ、地域ぐるみで子どもを見守り、育てる活動の中核的な役割を担っている「青年健全育成町民会議」と連携を図り、青年健全育成の活動推進に努めていく。

　規則正しい生活習慣の大切さを理解させるため、生活習慣定着事業の「通学合宿」による生活体験や、小学生を対象とした「とっぷ子どもゆめクラブ」による自然体験を行っていく。

　北海道日本ハムファイターズとのパートナー協定に基づき、小学生を対象とした野球教室やダンス教室を開催するなど、スポーツに親しみやすい環境づくりを目指す。

(市町村 2016-04-28付)