奈井江町教委の教育行政執行方針―萬教育長説明　小中連携密に指導を実践　新たに放課後教育活動実施

（市町村 2016-05-02付）

奈井江町教委・萬博文教育長

　【岩見沢発】奈井江町教委の萬博文教育長＝写真＝は、定例町議会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。学力の基礎・基本の定着、知識・技能を活用できる力の育成に向けて、小中連携をより密にした学習指導を実践する考えを示した。ボランティアと協力し、放課後の教育活動を新たに実施し、学力向上を図ることを表明した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

　認定こども園、小・中学校、高校の密接な連携を推進し、教育委員会と小・中学校の教職員で組織する「町教育振興会」の活動の充実を図る。

　標準学力検査および全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、分かる授業の実現と望ましい生活習慣の定着、基礎学力を確実に習得させる教育課程や指導方法の普及、チャレンジテストの活用、教職員の資質向上に向けた先進地視察の実施、小中高連携による教育活動等の相互支援、義務教育の九年間を一体のものとした学習規律の統一化、ボランティアと協力した放課後の教育活動など、確かな学力の向上に努めていく。

　また、子ども一人ひとりの実態に応じた指導を充実するため、習熟度別指導やチーム・ティーチング指導の積極的な実施、小学校の三十五人学級編制の実施も継続して取り組んでいく。

　小・中学生を対象とした漢字検定料の助成、町図書館司書と学校図書担当教諭が連携を図り、子どもの主体的な読書活動を支援する取組の推進、読書意欲を喚起し、読む力を育てるための朝読、家読、ボランティアによる読み聞かせの奨励、学校図書館の蔵書整備推進など、学校や家庭での読書活動を推進し、読書習慣の定着を図るとともに、魅力ある学校図書館づくりに取り組んでいく。

　英語に慣れ親しませながら国際感覚とコミュニケーション能力を高めるなど、英語力の向上を図るため、外国語指導助手を活用しながら、認定こども園での英語教育の支援、小学生を対象にした英会話教室の開催、中学校における英会話能力の向上、中学生を対象にした英語検定料の助成など、実践的コミュニケーション能力の向上を図る。

　「あいさつ運動」の推進、栄養教諭を配置した食育の推進、食と農の大切さを学ぶ農業体験学習の推進などを実施していく。

　また、「早寝、早起き、朝ごはん運動」の推進、夏休み・冬休みの「子ども朝活事業」を実施するなど、望ましい生活習慣の定着に向けた取組を通じて家庭や地域の教育力の向上に努めていく。

　いじめや不登校等の指導については、日常の生徒指導はもとより、子どもたちへのアンケートや教育相談などを通じて、未然防止と早期発見・早期対応に重点を置き、各学校における指導体制の充実に努めるとともに、スクールカウンセラーの配置によって、学校と家庭、地域、関係機関との連携を強化し、教育相談の充実と子どもたちの心の成長を支援していく。

　奈井江商業高校では、高校の存続、生徒の確保に向けて、通学費の全額助成、入学支援金の支給、制服費用の助成など助成事業を継続する。

　小中高教育の連携に関する連絡協議会による各学校の交流を通じて、地元の子どもたちが高校への理解をさらに深めるとともに魅力ある学校づくりに対し、連携と情報の共有を図りながら、地元高校の存続に向けた支援を続けていく。

(市町村 2016-05-02付)