上士幌町が全小中でＣＳ導入　地域ぐるみの学校づくり　全町的導入は十勝管内で２町目

（市町村 2016-05-10付）

　【帯広発】上士幌町は、四月から町内全小・中学校でコミュニティ・スクール（ＣＳ）制度をスタートさせた。管内における全町的なＣＳ導入は浦幌町に続くもの。町内の小・中学校四校それぞれに学校運営委員会を設置し、地域ぐるみでの学校づくりに向けて本格的に始動した。

　町では、二十六年十二月に、おおよそ十年後までの教育施策をまとめた「子ども教育ビジョン」を策定。目指す子ども像として、「確かな学力と応用力を身に付け、夢に向かって人生を歩むことができる子」「郷土の歴史を学び、伝統・文化を大切にし、郷土を誇れる子」「厳しい環境に負けない、たくましい心と体を持つ子」「豊かな発想力を持ち、自分の考えを表現できる子」「お互いの個性を認め尊重し合い、思いやりと感謝の気持ちを大切にできる子」―の五項目を設定し、これを実現させるための手法の一つとしてＣＳ制度を導入した。

　上士幌小、萩ヶ丘小、糠平小、上士幌中で学校運営委員会を組織し、総合的な連絡調整および各学校運営協議会委員の資質向上のための活動を行う機関として、「上士幌コミュニティ・スクール委員会」を設置した。

　教職員の任用に関しては、「町費職員については町教委に、道費職員については町教委を経由して道教委に意見を述べる」こととし、会則に盛り込んだ。

　本年度の取組としては、各学期が終了する時期に協議会を実施し、今後の方針等について話し合う。それに合わせてＣＳ委員会も行い、全体の周知を図る。また、「ゆめ育応援団」を組織し、町民が実際に子どもとかかわり、学び合っていく仕組みづくりを進める。

　馬場久男教育長は「ＣＳを導入することで子どもたちだけではなく、保護者や地域の方も一緒に育ち、それが最終的に良い町づくりへとつながれば」と期待を寄せている。

(市町村 2016-05-10付)