文科省研究開発学校指定へ東川町 国際社会で活躍できる子を 今秋にも新たな教育課程着手(市町村 2016-05-10付)
【旭川発】東川町は、国際社会で活躍できる子どもの育成に向けて、二十九年度から文部科学省の研究開発学校の指定を目指している。五~六月にも研究組織を立ち上げ、外国語指導助手や国際交流員、町立日本語学校の留学生との交流を盛り込む予定の新たな教育課程を検討。それをもとに、町立東川第一小学校で九~十月の秋ごろから試験的に着手し、十月には文科省に申請する見通し。決定すれば二十九年度は町内の全小学校で取組を進め、三十年度以降は町幼児センターや町立東川中学校、東川高校で本格的に取り組んでいく。
文科省の研究開発学校は、教育実践上の課題等に対応するため、学習指導要領等の国の基準によらない教育課程の編成・実施を認める制度。指定期間は原則として四年間となっている。
東川町は、外務省や文科省などの国の省庁などの協力を得て、外国青年を招致し地方自治体で任用する「JETプログラム」を活用し、外国語教育の充実や国際交流の推進を図っている。また、昨年の十月には海外の学生が学ぶ町立日本語学校を開校したほか、小・中学校で外国人子弟を対象とした学習支援を本年度から開始するなど、町全体で国際化を見据えた取組を進めている。
グローバル化に対応できる人材の育成が喫緊の課題となっている中、町では課題解決に向け、さらなる国際理解教育の充実を重視。そのため、二十九年度の研究開発学校の指定を目指すこととした。
このため、本年度は、五~六月に町教委および町内の教職員で研究組織を立ち上げ、夏休み前に新たな教育課程を検討する。現時点で詳細は未定となっているが、町立日本語学校の留学生や、外国語指導助手、国際交流員などの活用を見込む。課外活動として、町内の外国人との交流等を盛り込む予定だ。
新たな教育課程は、東川第一小で九~十月の秋ごろから試験的に着手。また、町立東川第二小を連携校とすることも想定している。十月には文科省に研究開発学校の申請を行う考え。
決定すれば、二十九年度は町内の全小学校を実践校として取組を進める。小学校での成果と課題を検証した上で、三十年度以降は段階を踏みながら幼児センター、東川中、東川高で本格的に取り組んでいく。
東川町教委では、「幼小中高の連携や地域の人材や資源の有効活用によって、国際社会で活躍できる子どもを育てていきたい。指定されれば道内でも珍しい取組となるので、東川ならではの取組にしていければ」と述べている。
※キーワード
▽研究開発学校制度
教育課程の改善に資する実証的資料を得るため、文部科学省が昭和五十一年に創設した制度。「研究開発学校」に指定された学校は、学習指導要領等の教育課程基準によらない編成・実施が認められる。
十二年度からは、学校管理機関が研究開発課題を設定し、文科省に申請する方式となった。道内では、北海道教育大学附属札幌小学校、礼文高校、有朋高校、鹿追高校などが指定されている。
(市町村 2016-05-10付)
その他の記事( 市町村)
札幌市10年研「共通研修」第1日 理想の教師目指し研鑚 檜田教職員担当部長が講話
札幌市教委は四月下旬、札幌市内のちえりあで二十八年度札幌市十年経験者研修「共通研修」第一日を開催した。幼・小・中・高校・特別支援学校の教員など約二百六十人を対象に実施。檜田英樹教職員担当部...(2016-05-13) 全て読む
弟子屈町教委の教育行政執行方針―小林教育長説明 開かれた学校づくり推進 玉川大との協力体制検討
【釧路発】弟子屈町教委の小林俊夫教育長=写真=は、町議会定例会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。開かれた学校づくりの推進に向けては、積極的な情報発信に努めるとともに、学校評価を通じて...(2016-05-13) 全て読む
文科省CS導入促進事業活用し東川町 10月ころの開始目指す 東川小、東川中で先行実施
【旭川発】東川町は、十月ころを目途に町立東川小学校と町立東川中学校で文部科学省のコミュニティ・スクール(CS)制度の導入を目指している。文部科学省のCS導入促進事業を活用。町の学社連携推進...(2016-05-11) 全て読む
札幌市教委 効果的な活用へ情報共有 スクールカウンセラー連絡協議会
札幌市教委は四月二十八日、市内ちえりあで二十八年度第一回スクールカウンセラー連絡協議会を開催した=写真=。教職員や市教委担当者などが参加。効果的なスクールカウンセラーの活用に向け、説明や協...(2016-05-11) 全て読む
札幌市教委 28年度新任主幹教諭研修会 33人が講義等通し研鑚
札幌市教委は二日、市内ちえりあで二十八年度新任主幹教諭研修会を開催した=写真=。本年度主幹教諭となった三十三人が参加。主幹教諭にかかわる講話や講義、グループ協議を通して研鑚を積んだ。 ...(2016-05-11) 全て読む
上士幌町が全小中でCS導入 地域ぐるみの学校づくり 全町的導入は十勝管内で2町目
【帯広発】上士幌町は、四月から町内全小・中学校でコミュニティ・スクール(CS)制度をスタートさせた。管内における全町的なCS導入は浦幌町に続くもの。町内の小・中学校四校それぞれに学校運営委...(2016-05-10) 全て読む
活力と魅力ある研究を 札教研事業第4回運営委―札幌市教委
札幌市教委は四月二十六日、市内ちえりあで札幌市教育研究推進事業第四回運営委員会を開催した。約百三十人参加。本年度の重点の説明や研究推進に関する事項、研究体制などの協議を行った=写真=。 ...(2016-05-09) 全て読む
雨竜町教委の教育行政執行方針―糸谷教育長説明 小中連携の強化推進 ピア・サポートプログラムを継続
【岩見沢発】雨竜町教委の糸谷尚徳教育長=写真=は、四月定例町議会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。小中併設校の利点を生かし、義務教育九年間を見通した教育課程の編成および小・中連携の強...(2016-05-09) 全て読む
文科省が学校改築を不採択 本年度関連工事は中止に 再申請の可能性含め対応検討―札幌市教委
札幌市教委は、本年度発注を予定していた学校改築関連工事をすべて中止とすることを決定した。学校改築工事にかかる文部科学省所管の学校施設環境改善交付金が不採択となったことを受けたもの。市教委の...(2016-05-06) 全て読む
活動内容などを交流 札幌市教委が農業体験研究実践校連絡会議
札幌市教委は四月二十八日、市教委会議室で「さっぽろっこ農業体験事業」研究実践校連絡会議を開催した=写真=。研究実践校や市教委の担当者など約四十人が参加。事業の確認や活動内容の交流を行った。...(2016-05-06) 全て読む