道議会文教委員会（２８年５月１０日）　信頼損ないかねない行為―安保法反対署名問題で道教委

（道議会 2016-05-13付）

　十日の道議会文教委員会では、道立高校の教員が校門前で生徒に対し、安全保障法に反対・廃止を求める署名活動などを行った問題が取り上げられた。村上明寛総務政策局長は、同事案について、「職員団体として行われる行為であっても、個々の教職員については、生徒に対して特定の政治的立場に立って接すべきではない」「生徒や保護者、地域住民からの信頼を損ないかねない行為」との認識を示すとともに、事実関係を確認し、法令等に違反する場合には厳正に対処すると答弁した。丸岩浩二委員（自民党・道民会議）の質問に答えた。

　道教委の説明によると、四月に道立高校教員二人が朝、年休を取得の上、校門前の道路で生徒に対し、安全保障法に反対・廃止を求める署名への協力依頼のビラを配布。同日放課後に年休取得の上、校門前で署名活動を行い、生徒二人が署名した。

　学校は、当日午後に署名活動の情報を得て、中止させるとともに、学級担任を通じてビラの回収を指示。翌日、ＰＴＡ会長に説明するとともに、翌々日に校長から全校生徒に経緯を説明し、保護者に対しても、文書で説明・謝罪を行った。

　また、道教委の学校に対するこれまでの指導についても説明。二十七年十一月に道立高校長や市町村教委教育長に通知し、「生徒への指導に当たっては、教員は個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で指導する」「教員は、その言動が生徒の人格形成に与える影響が極めて大きいことなどに留意し、学校の内外を問わず、その地位を利用して特定の政治的立場に立って生徒に接することのないよう、また、不用意に地位を利用した結果とならないようにする」ことなどを指導していた。

　これらの経緯等を踏まえ、村上総務政策局長は「職員団体として行われる行為であっても、その構成員である個々の教職員については、生徒に対して特定の政治的立場に立って接すべきではない」との考えを示した。

　また、「教員は、学校教育に対する国民の信頼を確保するため、公正中立な立場が求められていることから、このたびの教員の行為は、生徒や保護者、地域住民からの信頼を損ないかねない行為」との認識を示した。

　その上で、「今後、早急に詳細な事実関係を確認し、法令等に違反する行為があった場合には、厳正に対処していく」と答弁した。

(道議会 2016-05-13付)