釧路局が生徒指導研究協議会開く　ネットトラブル等解決へ　シンポジウムや講演などで研鑚

（道・道教委 2016-07-04付）

生徒指導上の諸問題解決に向け協議

　【釧路発】釧路教育局は六月二十九日から二日間、釧路教育研究センターで生徒指導研究協議会を開催した。管内の小・中・高・特別支援学校の教員や保護者、教育委員会の職員など五十人が参加し、いじめや不登校、携帯電話やインターネットをめぐるトラブルなど、生徒指導上の諸問題の解決に向けた取組について話し合った。

　はじめに、柴田亨教育支援課長があいさつ。「近年、スマートフォンなどによるネットトラブルやいじめが発生しており、憂慮すべき課題である。学校・家庭・地域社会、関係機関と連携していじめ防止を図り、管内教育の充実に努めたい」と呼びかけた。

　続いて、義務教育指導班の塩谷佳子指導主事が「本道・管内における生徒指導の現状と課題」と題して説明。その中で、文部科学省が発表した二十六年度公立小・中・高・特別支援学校のいじめの件数にふれ、「合計で三千百三十二件となり、前年に比べて十四件増加した。態様では、〝いやなことを言われる〟〝無視される〟が多く、高校に上がると〝パソコンや携帯電話等で誹謗中傷される〟が多くなる」と指摘。

　そのほか、不登校や中途退学の実態、二十七年度「ネットトラブル未然防止のためのネットパトロール」結果のまとめ、道教委発行の教職員向け資料『性同一性障害の理解のために』などについても説明した。

　このあと、シンポジウム「いじめや不登校、携帯電話やインターネットをめぐるトラブルなど、生徒指導上の諸問題の解決に向けた取組について」に移り、厚岸町教委指導室長の滝川敦善氏をコーディネーターに、シンポジストとして厚岸町立厚岸中学校教頭の岩崎等氏、釧路明輝高校教諭の澤野克也氏、釧路市教委総括指導主事の本川敬一氏が登壇した＝写真＝。

　岩崎氏は「昨年、町内の小四から中三までを対象に情報端末機器の使用実態を調査し、その結果をもとに町全体のルールづくりを進めた」と報告。

　澤野氏は「災害時対応のためにスマホの所持を許可しており、ネット社会で生きていくために必要と考えている。一方で、授業中に使用している生徒もいるので指導している」と述べた。

　本川氏は、行政機関としての立場から発言。「携帯電話やスマホ、インターネットについて実態調査をしたが、“約束は特にない”と回答した割合に、生徒と保護者との間で違いがみられた。意識の違いを保護者に伝える必要がある」と報告した。

　参加者は、「誹謗中傷する書き込み防止に向けて、より効果的な対策はないか」など、熱心に話し合っていた。

　このあと、ピットクルー㈱札幌サポートセンターパトロールチームリーダーの広田周平氏が「携帯電話やインターネットをめぐるトラブルなど、生徒指導上の今日的課題と対応について」と題して講演したほか、部会で協議した。

　二日目は実践交流やグループ別協議を実施した。

(道・道教委 2016-07-04付)