札幌市平岸高台小の博物館クラブ　化石の観察方法等学ぶ　有孔虫の標本づくりにも挑戦

（学校 2016-07-05付）

化石のクリーニング体験に臨んだ

　札幌市立平岸高台小学校（池田哲也校長）の博物館クラブは六月三十日、札幌市博物館活動センターで化石のクリーニング体験を行った。児童十二人が化石の観察方法を学び、有孔虫の標本づくりに挑戦した＝写真＝。

◆４月にクラブ発足

　ことし四月、博物館活動センターが同校付近に移転。子どもたちから「センターでクラブ活動をしてみたい」という声が寄せられたことをきっかけに、博物館クラブが発足した。

　博物館クラブの活動は、博物館活動センタークラブで学芸員から化石のクリーニングやレプリカづくりを学び、その成果を学校にもち帰って発表するというもの。クラブ活動が終了する十月までの間を活動期間とし、後半は来年のメンバー募集に向けたプロモーション映像の制作を予定している。

　二回目の活動となるこの日のテーマは、「鳥の眼とアリの眼で化石を観る」。冒頭、講師の古澤仁学芸員が、化石を観察するときに必要な二つの視点を紹介。写真を見せながら、遠くから全体を眺める「鳥の眼」と近くでじっくり観察する「アリの眼」について説明した。

　このあと、子どもたちは実際に「アリの眼」を体験した。ルーペを使って見た目が似ている二つの物体の断面を観察し、どちらが骨かを見分けた。

　続いて、顕微鏡で今から五百万年前に存在していた単細胞生物「有孔虫」を観察。砂に混ざった有孔虫をつまようじの先で分別するクリーニング作業を行った。

　また、分別した有孔虫で顕微鏡観察用のプレパラート標本を作成。自分でつくった標本を前に、子どもたちは満足げな表情を浮かべていた。

　最後に、副リーダーの石澤麻椰さんが「貴重な体験だった。将来このような仕事をしてみたいと思った」と感想を発表し、全員で礼を述べた。

　顧問の松本尚大教諭は「子どもたちがこのような新しい体験を通じて、見聞や世界を広げてくれたら」と期待を寄せた。

(学校 2016-07-05付)