札幌市教委が生徒指導研究協議会　地域全体で適切な指導を　初日―保護者含め３５０人参加

（市町村 2016-07-29付）

３５０人が参加した

　札幌市教委は二十六・二十七日の二日間、生徒指導研究協議会を実施した＝写真＝。初日は共済ホールを会場に約三百五十人が参加。鳴門教育大学特任教授で日本生徒指導学会会長を務める森田洋司氏が講演し、制度と組織に焦点を当てながら今後求められる生徒指導の在り方について説明した。

　生徒指導上の諸問題を研究協議し、学校や家庭、地域社会が一致協力して生徒指導の充実を図るとともに、教員の指導力向上に資することがねらい。今回は、市立学校の校長をはじめ教頭や教諭、スクールカウンセラーや市立学校に在籍する児童生徒の保護者などが参加した。

　当日、喜多山篤児童生徒担当課長があいさつした。小学生の問題行動が増えている現状にふれ、「子どもの適切な理解に基づいた指導や、保護者および外部機関との緊密な連携が重要になっている」と強調。「積極的に協議することで、今後の生徒指導に生かしてほしい」と呼びかけた。

　続いて、森田氏が「これからの生徒指導～組織的な取組に向けた指導体制の構築」と題して講演。いじめ防止対策推進法で掲げられているいじめの定義を示した上で、「法律を正確に解釈するとともに、いじめはどの学校でも“起こりうる”ではなく“起きている”と考えるべき」と強調した。

　不登校の支援に関しては、生徒によって原因や現れ方も様々なことから、「チーム学校として、個に合わせた早い段階でのアセスメントが必要」と訴えた。

　また、組織的対応には、柔軟な目標設定と適切かつ柔軟な役割分担、教職員相互の気遣いが不可欠であることを説明。「原点に帰って子どもたちを元気に」と求めた。

　午後からは「新たな不登校を生まない教育相談体制の充実」について実践発表を行ったほか、「スクールソーシャルワーカー等との連携による子ども・家庭への支援」をテーマに協議した。

(市町村 2016-07-29付)