幼小中高一貫教育推進会議等開く―鹿追町教委など 育む力の焦点化目指して 公開授業や分科会など実施(市町村 2016-07-27付)
幼小中高一貫教育の在り方について共通理解を図った
【帯広発】鹿追町教委と鹿追町幼小中高一貫教育推進会議は六月下旬、鹿追町民ホールなどで二十八年度第一回幼小中高一貫教育推進会議・第一回研究開発学校運営指導委員会合同会議を開催した=写真=。町内の小・中・高校の授業を公開するとともに、運営指導委員会を実施。本年度の事業計画等を確認したほか、分科会を行い、幼小中高一貫教育の在り方について共通理解を図った。
同町は、十五年から文部科学省から研究開発の指定を受け、世界的な視野から環境問題を解決する力を育むために、小中高十二年間を見通した独自学習「新地球学」「カナダ学」を中心に研究を進めてきた。
延長指定を受けた昨年度は、「新地球学」に加え、カナダの文化や英語などを学ぶ「カナダ学」から、幼児期~高校までを視野に入れた新総合学科「地球コミュニケーション」に切り替えて取り組み、新たな教育課程の編成および指導方法を研究。グローバル社会に対応する英語を中核にした多様なコミュニケーション能力の向上を目指し、幼小中高の十三年間を視野に入れたカリュキュラム開発に取り組んだ。
本年度は三年次指定の二年次目。幼小中高の系統性を一層高め、ESDの視点に立った地球コミュニケーションと新地球学の教科開発とともに、各教科においても発達段階表から主体性・かかわり・考動力を育む実践に取り組んでいる。
この日の午前は、町立鹿追小学校、瓜幕小学校、鹿追中学校と、鹿追高校で「新地球学」と「地球コミュニケーション」の計七授業を公開。午後からは、本年度第一回運営指導委員会を開催した。
委員会では、阿部穣委員長があいさつに立ち、「急激な少子高齢化の進行やグローバル化の進展、地域の教育力の低下などの学校が抱える課題についてふれ、「このようなめまぐるしく変化する状況の中、この研究開発の果たす役割は大きい」と強調。同会議の中で、研究開発に求められる課題に対し、きたんのない指導助言を求めた。
続いて、町教委の山本尚学校教育指導室長が本年度実施計画概要を説明。事業計画について、九月十五日に幼小中高一貫教育研究大会を開催することや、二十九年一月三十一日に第二回運営指導委員会を開くことなどを確認した。
このあと、「新地球学」「地球コミュニケーション」など五つの部会に分かれて分科会を実施。委員からは、「英語を利用する場面設定をさらに工夫することによって、児童生徒の関心・意欲・態度が一層高まる。教材教具においても何度も利用できるような工夫が必要」「CAN―DOリストを示すことによって、評価規準が位置付けられた授業であった。これを外国語活動や英語の教科にどう活かしていくかを見据えて研究してほしい」などの意見が挙がっていた。
おわりに、札幌学院大学人文学部の釣晴彦教授と道教委新しい高校づくり推進室の高橋宏明主査が講評。釣教授は「鹿追町の研究は〝ESDの可視化〟がキーワードとなる。ESDの視点から、児童生徒に身に付けさせたい力は何かを焦点化して研究を進めてほしい」と述べた。高橋主査は鹿追町の研究は、CAN―DOリストや発達段階表をもとに授業改善、指導の充実に取り組んでいる。実施前と実施後の変化を見えるかたちで示し、研究成果を汎用性のあるものにしていただきたい」と期待を寄せた。
(市町村 2016-07-27付)
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