北東北三県との教員人事交流　ミドル層の研修充実を　道教委が交流者意見交換会

（道・道教委 2016-07-29付）

「チームで取り組んでいた。振り返りを重視していた」などと北東北の取組を報告

　道教委は二十六日、道庁別館で二十八年度北東北人事交流者意見交換会を開いた＝写真＝。北東北三県から派遣された教諭から、「ミドル層の研修を増やしてほしい」と要望があったほか、本道から北東北に派遣されていた教諭からは、「チームとして取り組んでいた。振り返りを重視していた」などの報告があった。

　道教委では、青森・秋田・岩手の北東北三県との間で、十六年度から教員人事交流を実施。多様な教育実践を体験することによって、教員としての実践力の向上を図るとともに、交流の成果を学力向上や特色ある学校づくりの推進に生かしている。

　現在、本道から北東北三県へ十人を派遣し、北東北三県から十人を受け入れている。

　意見交換会には、北東北三県からの二十七年度交流者（二十七年四月一日～二十九年三月三十一日）二人、二十八年度交流者（二十八年四月一日～三十年三月三十一日）八人、本道から北東北三県への二十六年度交流者（二十八年三月三十一日終了）六人の計十六人が参加した。

　杉本昭則教育部長が開会あいさつに立ち、「皆さんには、交流期間中、派遣元・派遣先の県や北海道での経験を生かしながら、それぞれの地域で活躍いただいている。この機会に、多くの経験を積んで、今後の教育活動の糧としていただくとともに、交流の成果を教育活動の一層の充実に役立てていただきたい」と呼びかけた。

　続く全体会では、北東北三県と本道の教育の違いなどについて意見交換した。

　青森県から派遣されている小学校教諭は「派遣元の学校では、トップダウン的に取組等を決めているが、北海道では、教職員が話し合って決めている」、秋田県からの高校教諭は「驚いたのは、土曜補習がないこと。秋田県では、土曜補習が当たり前だった」などと違いを挙げた。

　秋田県からの小学校教諭は「秋田県では、ミドル層対象の研修が多く、選んで研修できる体制ができている。北海道でも、もっとミドル層の研修が増えれば」と求めた。

　本道から青森県へ派遣されていた小学校教諭は「青森には、あきらめずに取り組む子どもが多かった。生活習慣や家庭学習の習慣がしっかりと身に付いていた」などと振り返った。

　岩手県へ派遣されていた中学校教諭は「学年主任は担任をもたず、学年全体を見渡して、取組を決めていた。あらかじめ校長から学校としての方針を伝えられており、学校全体の体制が固まっている」「校外研修に行きやすい環境がつくられていた」などと報告。

　秋田県へ派遣されていた高校教諭は「秋田県の学校は、チームとして取り組んでいることが強く感じられた。また、振り返りを重視していた」と述べた。

　全体会後は、小・中学校、高校、特別支援学校の三部会に分かれて意見交換した。

(道・道教委 2016-07-29付)