第３８回北特研全道研究大会開く　適切な指導・支援に向けて　実践講座や講演などで研鑚

（関係団体 2016-08-02付）

全道から２６０人が参加

　第三十八回道特別支援教育研究協議会全道研究大会豊明大会兼札幌市立豊明高等養護学校教育研修会が七月二十八日から二日間、同校を会場に開催された＝写真＝。全日本特別支援教育研究連盟（＝全特連、松矢勝宏理事長）、道特別支援教育研究協議会（＝北特研、池上修次会長）主催。研究主題「地域社会で自分らしく生きる児童生徒を育てるために」のもと、全道から約二百六十人の特別支援教育に携わる教諭、関係者が参加。実践講座や講演、研究部会を通して適切な指導・支援に向け資質の向上を図った。

　冒頭、主催者を代表して松矢理事長と池上会長があいさつ。

　松矢理事長は「障がいのある児童生徒が、学校卒業後に主体的で豊かな地域生活ができるよう、生きる力を育成することが大切」と強調した。その上で、「児童生徒が様々な集団や社会的な関係の中で自分らしさを発揮し、自分らしい生き方を積み上げていくとともに、地域社会において主体的に生きていくことや、自己の役割を果たしていくこと、成人期以降のライフステージにおいて自立した社会生活を送るために、適切な指導や必要な支援を保障することが求められている」と述べた。

　池上会長は、特別支援教育の変遷にふれながら、「会員個々の自発的な参画、主体的な学びを通して研究を深めていただきたい」と述べた。また、「子どもたちが地域社会で自分らしき生きられるよう、自立と社会参加のための確かな力の獲得につながる教育について、互いの実践交流を通して、最新情報の収集や教職員としての視野を広げる機会としてほしい」と期待を寄せた。

　来賓では、道教委の磯貝隆之学校教育局特別支援教育担当局長、札幌市教委の引地秀美学校教育部長が登壇。

　磯貝局長は、特別支援教育の動向などを説明。「キーワードは合意形成。これをもとに各学校は合理的配慮に取り組んでいただきたい」と語った。また、「各学校においては、特別支援教育に対する社会全体の期待が高まる中で、その成果がこれまで以上に求められている。この大会の中で自分の思いや夢を語ってほしい」と呼びかけ、「大会の成果を各地域にもち帰って学校の教育実践や多様化する教育的ニーズに生かして」と期待した。

　引地部長は「札幌市では、道教委と連携して特別支援学校で学ぶ児童生徒が、地域の小・中学校で学ぶ地域学習など、様々な取組を推進している」と説明。「研究大会は、これからの時代に対応した、本道の知的教育の在り方という課題に正面から取り組んでいくもの。今後の特別支援教育の充実に向け様々な示唆を与えてもらえるものと期待している」と強調した。

　研究大会では、教育実践講座やポスター発表、研究部会などが行われ、参加者が各班に別れて参加。また、松矢理事長が「知的障害等のある児童生徒の生きる力と働く力の育成～キャリア教育と社会参加の課題をめぐって」と題し講演した。

　さらに、㈱北海道フットボールクラブの野々村芳和社長を講師に迎え、記念講演も行った。

　参加者は二日間、特別支援教育の充実に向けて研修を深めた。

(関係団体 2016-08-02付)