全国看護高校研究協議大会道大会開く　原点に立ち返り研鑚を　２００人が分科会や研究発表など

（関係団体 2016-08-03付）

「高校の看護基礎教育における看護実践能力の育成」をテーマに開催

　二十八年度第四十七回全国看護高校研究協議大会北海道大会が七月二十八日から二日間、ホテルライフォート札幌で開催された＝写真＝。全国看護高校長協会（森一夫理事長）主催。「高校の看護基礎教育における看護実践能力の育成」の大会テーマのもと、全国から二百人を超える看護高校の教諭らが参加。旭川市旭山動物園の板東元園長の講話や、文部科学省初等中等教育局児童生徒課産業教育振興室の福村知加子教科調査官の講演・講話、研究発表、分科会を通して、看護教育の深化に向けて研修した。

　冒頭、主催者を代表して登壇した森理事長はあいさつで、校長会等が強く要望していた大学への編入学制度が本年度から実現したことに謝辞を述べるとともに、「生徒の進路選択の幅も大きく広がり、これまで以上に意識の高い生徒が五年一貫教育を志望することになる」と述べた。

　また、「五年一貫教育は看護師国家試験において大きな成果を上げている」と強調。「入職後の卒業生の働きぶりも高い評価を得ており、このシステムで看護師を養成することは大きな意義があり、発展・充実させていかなければならない」と呼びかけた。

　また、五年一貫教育導入後、最初の卒業生が社会に出て十年が経過したことを挙げながら、大会を「今こそ看護の本質、社会的意義など原点に立ち返り、実践力を身に付けるための指導について、全国の先生方と語り合う機会」と位置付けた。その上で、「各校の特色ある取組を共有し、それぞれの学校の教育を充実させてほしい。この機会を大いに活用して情報収集、活発な意見交換、提言により意義ある大会となるよう期待する」と述べた。

　また、森弘隆実行委員長（美唄聖華高校長）は「私たちの使命は、高校における看護教育の目的を果たし、生徒たちが専門性にあふれ、生涯にわたって学び続ける気持ちをもち、人としての尊厳を尊重する態度など、社会に貢献する人材を育成すること」と強調。「熱の込もった研修となり、二日間が充実したものになるように」と期待した。

　続いて、来賓として文部科学省初等中等教育局主任視学官（併）産業教育振興室長の梶山征司氏、産業教育振興中央会専務理事の冨岡逸郎氏、道教委教育長の柴田達夫氏がそれぞれ登壇。

　梶山氏は「高校専攻科の終了者の大学への編入学制度において、大学にとっても魅力的なものにならなければならない。皆さんの研究協議やどのような人材を育むかということにつながる」、冨岡氏は「我が国が豊かな社会をつくる上で、看護高校の存在、その果たすべき役割はきわめて大きい」、柴田氏は「一堂に会し研鑚し、看護師としての知識や技能だけではなく、命の尊さ、思いやりや優しさといった看護の心というものを育むために研鑚を積むということは大変意義あること」と述べた。

　協議会では、二十六年度にスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールの指定を受けた埼玉県立常盤高校の研究発表や、分科会のほか、旭山動物園の板東園長が「伝えるのは命　繋ぐのは命」と題し講演。また、文科省の福村教科調査官が研究発表などに対して講話・講評を行った。

　参加者は、発表や講演に熱心に耳を傾けながら、看護高校の教育、指導力の向上に向け、研鑚を積んだ。

(関係団体 2016-08-03付)