公立小・中・特女性管理職会が研究大会　「しなやかな」学校経営へ　２１０人が実践成果・課題を交流　

（関係団体 2016-08-12付）

２１０人が実践成果・課題を交流

　道公立小・中・特別支援学校女性管理職会（富田真由美会長）は五日、ホテルライフォート札幌で第四十二回研究大会札幌大会を開催した。全道各地から女性校長、教頭約二百十人が参加。大会主題「未来を共に拓き　心豊かにたくましく生きる日本人を育成する学校教育の推進～確かな学びとしなやかな心　夢や希望に向かって挑戦する子どもを育む学校経営」のもと、講話や研究協議、分科会を通して、相互の連携、職能の向上を図った。

　開会式＝写真＝の冒頭、富田会長があいさつ。研究主題・副主題にふれながら、「学校教育の可能性や在り方について、真摯に研究を深めてきた。本日の研修でも、各学校のリーダーが理想とする学校教育について、日ごろの実践の成果と課題を交流し合うことで、新たな視点や気づきが得られると期待している」と呼びかけた。

　また、道教委が、五年間で女性管理職の割合を七・七％から一五％に引き上げる数値目標を設定したことに言及し、「今後、女性が仕事で生き生きと輝けるよう、関係機関と連携を深めていくことも私たちの使命」と強調。「本道の女性管理職がしなやかな心で、誠実に学校運営にまい進できる大きな成果を上げる研究大会になることを願う」と述べた。

　続いて、札幌大会実行委員会の中島啓子委員長があいさつに立ち、「目の前の子どもたちに確かな学びやしなやかな心を育むため、創意と工夫、組織的な学校マネジメントを交流し、スマイルで学校経営に向かうことができる、あすからの力となる大会となれば」と呼びかけた。

また、石狩教育局の馬橋功局長、札幌市教委の和田悦明学校教育部児童生徒担当部長が祝辞。馬橋局長は「先日、北海道の新たなキャッチフレーズ“その先の道へ。北海道”が公表された。皆さんには、本道教育の推進者として、子どもたちのその先の道を見据えながら、力強くかつしなやかな学校経営の推進・充実に向けて、引き続き尽力いただきたい」、和田児童生徒担当部長は「リーダーシップを存分に発揮され、教職員とともに知恵を出し合いながら、相互信頼関係の中で、より一層子どもたちを見守り、育んでいく学びの場を実現させていただきたい。大会の成果がこれからの北海道の公立学校教育の充実に向けた指針となるよう期待する」などと述べ、大会の成果に期待を寄せた。

総会報告のあと、道教委の岸小夜子学校教育局指導担当局長が「学び合い・高め合い、しなやかさのある学校をめざして」を演題に講話。①学校を取り巻く状況、教育の動向②社会の変化が激しい中、教育の仕事に携わる基本姿勢③学び合う、高め合う学校づくりに向けた改善の視点―をテーマに話を展開した。

　中で、「人と人との関係を結ぶ力がより一層求められ、他者と協働して課題解決をしていく子どもたちを育てていかなければならない。そのためには、学び合い高め合う教師集団をつくっていくことが必要。管理職は社会に開かれた教育課程を私たちがつくっていかなければならない」と強調。「子どもたちや教職員、保護者、学校を取り巻く状況など、相手や事象と実直に正対し、子どもの成長を中心に据え、信念をもって、常に自然体で学校経営・運営に向き合っていただきたい」とエールを送った。

　続く研究協議では、釧路市立東雲小学校の鈴木美恵校長が「組織マネジメントを活用し、創意と活力を引き出す学校経営～特色を生かした学校経営を通して」、中標津町立中標津中学校の打川真由美教頭が「ふるさとを愛し、心豊かにたくましく生きる力を育む学校教育の推進～異校種間連携を推進する教頭のかかわりを通して」と題し提言。札幌市立藤の沢小学校の庄司ひさ子教頭が「札幌市における“学ぶ力”の育成にかかわる各校の取組について」をテーマに情報提供した。

このあと、グループを校長と教頭に分けたワークショップ形式の分科会や、校長・教頭合同の討論形式による分科会（特別研修）などを実施。「力強く」かつ「しなやかな」学校経営の推進・充実に向け、研鑚を積んだ。

(関係団体 2016-08-12付)