子の問題行動防止訴え 道中学校長会第3回理事研で赤岩会長あいさつ
(関係団体 2016-08-16付)

道中理事研赤岩会長
あいさつする赤岩会長

 五日に開かれた道中学校長会第三回理事研修会(十日付1面)における赤岩輝雄会長=写真=のあいさつ概要はつぎのとおり。

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 夏休みをねらうように、スマートフォンアプリ「ポケモンGO」が七月下旬に国内でも配信され、多くの子どもたちがスマホを片手にあちこちを徘徊する様子が話題になっている。一方で、一般紙でも指摘されているが、七月末までに「ポケモンGO」に夢中になるあまり、深夜徘徊で補導されたり、「ながらスマホ」で交通事故や不審者被害に遭うといった問題行動や事例も報道されている。

 学校での注意喚起が手薄になる夏休みに子どもたちの節度が試されているともとらえられるが、大きな事故に遭わないことを祈るばかりである。学校ホームページを利用するほか、校外巡視、祭典巡視の際に保護者や地域の方々、また、子どもたちに直接注意喚起する取組など、すでに行っている学校も多いと思うが、地域の小学校とも連携して、残りの夏休みの期間での学校からのアクションが望まれる。

 先月二十二日に本年度第一回の「北海道子どもの生活習慣づくり実行委員会」が開催されたが、「どさんこメディアプロジェクト」として「子どもの電子メディアとの接触時間を見直し、家族の団らんや体験活動、読書活動などに親しむことのできる環境や体制を学校・地域・行政や関係団体が一体となって推進する」ことが確認されている。

 この取組も、ことしで三年目を迎えるが、ノー・ゲームデーの設定・推進や各市町村でのフォーラムの開催等、中学校も積極的に参加・協力していきたいと考えている。

 つぎに、教育情勢について説明する。

 私からは、中央教育審議会『審議のまとめ素案』についてふれる。

 一年前に、次期学習指導要領の改訂に向けて中教審教育課程企画特別部会から「論点整理」が発表され、その後、一年をかけて審議された内容が『審議のまとめ』になるが、二十八日の発表を前に一日に開催された「中教審教育課程部会教育課程企画特別部会」での配布資料として文部科学省のホームページに掲載されたのが今回の素案である。

 特に、全体像を示すものとして注目された総則は、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」の視点から、社会に開かれた教育課程の理念や、新しい時代に求められる資質・能力の在り方、アクティブ・ラーニングの考え方等について分かりやすく示すものとして抜本的に改善されている。

 ここでは、学校別段階でまとめられている具体的な改善の方向性として、「中学校」で挙げられている内容について紹介する。その記述の多くが「部活動」に割かれ、「部活動は学校教育の一環」とする現行の学習指導要領の位置付けを維持しつつ、短期的な成果のみを求めたり、特定の活動に偏ったりしないよう、休養日や活動時間を適切に設定する、また、少子化が進む中で部活動を持続させるためには、地域単位で運営を支えることが不可欠で、教員の負担軽減を考慮しつつ、地域住民と連携するなどの工夫が必要だと説明されている。

 この内容は、現状の後追いに過ぎず、現場の校長が望む解決策を示すものではないと言える。今後、「チーム学校」に向けた具体策、あるいは、「次世代の学校・地域」創生プランに盛られた「教委による地域学校協働活動推進のための体制整備」といった具体的な制度の改正や施策に関心を向け、必要に応じて現場から声を挙げることが重要になる。

 続いて、本日行われる文教施策懇談、それに続く各課懇談について説明する。

 本年度の文教施策懇談会・各課懇談会は、より現場の実情に沿った意見交換の時間を保障すべく、道小・道中と道教委間で調整を図ってきた。その結果、分科会である各課懇談会の時間を昨年度までと比べて三十分間長くし、十分な意見交換の時間を確保することができた。校長の積極的な発言を期待する。

 また、本年度から、夕刻から柴田教育長をはじめ、文教施策懇談会に出席いただいた道教委幹部の皆さんと、道小・道中・道公教の役員・理事とで教育懇談会がもたれる。ぜひ、胸襟を開いた交流を通して、校長会と道教委との「絆」が一層深まるよう、皆さんの理解と協力をお願いする。

 続いて、組織検討委員会の方向性について説明する。

二十六年度から、道中の経費縮減にかかる組織・事業の見直し、また、二十九年度の県費負担教職員費の移譲にかかる札幌市中学校長会の在り方をめぐって、今後の道中役員・幹事の体制について検討を進めてきたが、いよいよ十一月の道中理事研において最終答申、決定の運びとなる。

 札幌市中学校長会の事務局とはこれまでに協議を進めており、今はまだ具体的な内容を示すことはできないが、双方で合意に至る段階まできている。

 本日も、この理事研に先立ち、本年度第三回組織検討委員会を開き、最終案に向けた話し合いをしていただいた。次回の九月二十九日の理事研では最終案の骨子を示すことができると考えている。この件については、地区の校長会の皆さんには心配をかけているが、今後ともどうぞよろしくお願いする。

 併せて、地区研において道中・道小の役員から、それぞれの組織の在り方について説明させていただいているが、開催時期に応じて説明の内容も変わっていくものと思う。

 最後になるが、第五十八回道中学校長会研究大会上川・旭川大会について説明する。

 本年度の道中研は上川管内校長会に主管していただき、九月三十日、十月一日の両日、旭川市において開催される。同大会は、研究主題「社会を生き抜く力を身に付け、未来を切り拓く日本人を育てる中学校教育」の実現を願う、四ヵ年継続研究のスタートとなる。中村勝治大会実行委員長をはじめ、主管する上川管内校長会の皆さんには総力を挙げて準備に取り組んでいただき、心より感謝申し上げる。来る十八日には、分科会関係者の合同打ち合わせ会も予定されており、分科会協議の充実に向け準備も最終段階になっている。

 「道中研の成功の可否は分科会の内容と参加態度が左右する」と言われており、参加する校長がみんなで研究大会をつくり上げる、そんな意気込みで意義ある研究大会にしていきたいと考えている。

 道中研は、日ごろの各地区各校の実践の成果を交流し、課題を明確にして、信頼される中学校教育の確立を目指すことを基本姿勢とする本会にとって、最も重要な研究大会である。それぞれの分科会で設定された今日的な課題のもと、真摯で活発な話し合いがなされ、課題解決の多くのヒントを与えてくれる分科会となるよう、そして、各学校の経営を支えるものとなるよう期待している。

 主管校長会のみならず道中の総力を挙げて成功を期したい。会員各位の力強い協力をよろしくお願いする。

(関係団体 2016-08-16付)

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