28年度道小・道中・道公教と道教委の文教施策懇談会 変化の先を見据えた準備推進 道中・赤岩会長のあいさつ概要
(関係団体 2016-08-10付)

 二十八年度文教施策懇談会(五日、道庁別館)における道中の赤岩輝雄会長=写真=のあいさつ概要はつぎのとおり。

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 本年度も、柴田教育長をはじめとする道教委の皆さんと校長会・教頭会の代表者が一堂に会し、本道の未来を担う子どもたちの教育全般についてともに語り合う場を設けていただき、心からお礼を申し上げる。

 日ごろより道教委の皆さんとは、本道教育の質の向上やより良い環境整備に向けて連携を密にしており、本日は本年度の道中の総会のあいさつで、柴田教育長からいただいた「校長会との絆を深めていく」との力強いエールに応えていくためにも、現場からの声を届け、双方向で本道教育の充実を図りたいと考えている。

 声を届ける重要な取組の一つとして、昨年度調査した各地区校長会および道公教の意見をもとに内容を検討してきた「北海道文教施策・予算策定に関する要望書」を五月十六日に道小、道公教とともに届けた。また、その要望書の中から特に学力・学校力向上にかかわる内容を取り上げた「新しい時代を見据えた本道教育の質の向上についての提言~“チーム北海道”として」を道小とともに届けた。それらの私たちの声に耳を傾けていただき、要望書へは丁寧に回答をいただいたことに、重ねて深く感謝申し上げる。

 さて、私は先週、宗谷校長会、今週になって上川管内校長会、昨日は道東地区六地区の校長会代表者連絡会に参加させていただいた。どの地区も少子化による学校の存続の問題や、四月当初の教員配置が遅れて学校経営に支障が出たといった問題、部活動の指導者確保の問題、また、これからの校長の大量退職期を迎え、教頭の人材がいないなど、切実な声が出されていたが、どの校長からも地域の未来を担う子どもたちの教育は地域の学校が責任をもつとの気概と、校長間のネットワーク・チームワークの素晴らしさ、また、学校が地域・行政と一体となって諸課題に取り組もうとするリーダーシップの力強さが感じられ、たくさん学ばせていただいた。

 全日本中学校長会では、「学校からの教育改革」を基本理念とした「全日中教育ビジョン」十の提言を掲げているが、校長は中学校、小学校を問わず、まさに「実践もあり理論もある有言実行の教育の実践的専門家」として、地域の教育に情熱を傾けていた。

 一日には中央教育審議会より次期学習指導要領の改訂に向けた「審議のまとめ(素案)」が発表されたが、国の教育改革は急ピッチで進められており、ともすると「アクティブ・ラーニング」「カリキュラム・マネジメント」といったキーワードのみが取り上げられがちだが、昨年度の道中研桧山・江差大会で教育情勢説明をお願いした教育再生実行会議アドバイザーの貝ノ瀬滋先生は「変化は止められない。できることは変化の先頭に立つことだけだ」と、ドラッカーの言葉を引用して、急ピッチに教育改革が進められているのは子どもたちを取り巻く環境が危機的な状況であり、そうした危機意識の裏返しとしての改革意識があるからだが、私たちは変化する先を見極めて、今から準備をしていくことが重要だと強調された。

 教育改革の潮流の中にあって、私たち校長や教頭は重い使命を自覚しているが、時代が求める「変化への準備」とは、新しいものに飛びつくのではなく、「すべては子どもたち一人ひとりのために」を合言葉に、これまで積み上げてきた地域と一体となった生活習慣づくりを通して「よく学び、よく遊ぶ子ども」の育成、そして、児童生徒一人ひとりが「分かる喜び」「できる感動」をもって、日々の学習活動に夢中になる教育実践に取り組むことの中から見えてくるものと考えている。

 本日の懇談会では、校長会ならびに教頭会から学校が抱える諸課題について、実態を踏まえて説明する。道教委の皆さんとの意見交流の中で、私たちの意を汲んでいただき、これからの教育施策に積極的に反映していただければ幸いである。

 私たち、道小・道中・道公教は、今後とも、北海道教育の一層の充実に向けて、諸課題に真正面から立ち向かっていくので、従前にも増しての指導、支援をお願い申し上げ、開会のあいさつとさせていただく。

(関係団体 2016-08-10付)

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