道国語教育連盟夏の研究交流学習会　言語活動生かした授業を　研究発表や講演で方向性確認

（関係団体 2016-08-10付）

会員約８０人が参加

　道国語教育連盟（委員長・齋藤昇一札幌市立啓明中学校長）は七月三十日、札幌サンプラザで「小中合同夏の研究交流学習会」を開催した＝写真＝。全道各地から会員約八十人が参加。小・中学校教諭による研究発表、国立教育政策研究所学力調査官・教育課程調査官の黒田諭氏の講演を通して、言語活動を生かした授業づくりに向けた実践の方向性をあらためて確認した。

　学習会は、全道研究大会と関連させながら、国語科の研究を進める学識者による講演などを通し、会員の日常の授業づくりを見つめ直すとともに、学習指導要領を踏まえた新しい国語科の学習指導の在り方を求めて、夏と冬の年二回開催している。

　開会あいさつに立った齋藤委員長は、連盟の研究の深まり、広がりにふれながら、「十月十四日に網走で行われる全道大会に向けて、準備が着々と進んでいる」と報告。その上で、「国立教育政策研究所から、一緒に学習、勉強をしてきた黒田氏を招いて学習会を開催できることは喜ばしい。これからの国語科教育の歩むべき道、昨年の論点整理を踏まえ、新学習指導要領がどのような中身となっていくのかといった話も聞けるのではないか」と述べ、学習会での学びの広がりに期待を寄せた。

　開会式に続いて、小学校から道教育大学附属札幌小学校の羽毛靖恵教諭が「多読で作品の魅力に迫る～白いぼうし」、中学校からは札幌市立平岡緑中学校の石岡潤也教諭が「日常課題の解決に結びつき、意欲を引き出す言語活動の設定とその実践」と題し発表。「話すこと・聞くこと」「読むこと」「書くこと」の三領域にかかわる日常の授業実践について報告した。

　続いて、黒田氏が「一人一人の児童生徒の学力・学習状況に応じた学習指導の充実に向けて」をテーマに講演。①これまでの全国学力・学習状況調査の結果分析②調査問題の作成③結果の分析をもとにした授業改善（各種資料の活用）④言語活動のさらなる充実に向けた授業づくり―について説明および解説した。

　中で、「課題解決的な学習（言語活動）を重視する」よう要請。授業づくりの過程で、「課題解決のために、生徒が試行錯誤することを許容（教師の準備したマニュアルどおりに進める活動では試行錯誤が少なく、実生活で生きて働く言葉の力が育ちにくい）」「実生活を意識した言語活動（授業で取り組む言語活動の背景に、実際の日常生活や社会生活が感じられることが重要）」―に視点が置かれているかを再確認するよう求めた。

(関係団体 2016-08-10付)