上川管内小・中校長研究大会　未来切り拓く学校教育を　経営上の課題解決に向け研鑚

（関係団体 2016-08-09付）

講演や分科会協議を行った

　【旭川発】二十八年度上川管内公立小・中学校長教育研究大会が三日、旭川市大雪クリスタルホールで開催された＝写真＝。基本主題は、「社会を生き抜く力を身に付け　未来を切り拓く児童生徒を育てる学校教育の創造」。道立旭川美術館の菅沼肇館長が講演したほか、分科会での研究協議を実施。約百八十人の参加者は、学校経営上の諸課題解決に向け研鑚を積んだ。

　上川管内校長会（澤井洋一会長）、旭川市小学校長会（中山雅文会長）、旭川市中学校長会（岩田俊二会長）が主催。市中学校長会主管となっている。

　第十次三年計画の一年次目として、同大会基本主題を本年度から掲げている。その上で研究主題に、「創意と活力に満ちた学校経営の推進」「しなやかな知性と豊かな人間性を育む教育課程の創造」を設定。学校経営ビジョンの実現と活力ある学校経営、教育改革を進める学校づくりと評価を生かした学校経営、確かな学力の向上を目指す教育など、六つのテーマを設け、研究を進めている。

　はじめに、岩田会長があいさつ。「劇的に変化する社会に子どもたちが対応できる力を育む学校経営が求められている。そのために設定した基本主題のもと研鑚を積み、熱い意見を出し合い有意義な研修としてほしい」と期待を込めた。

　つぎに、上川教育局の小野寺一郎局長、上川管内教育委員会連合会の福島堅一会長、旭川市教委の小池語朗教育長が来賓あいさつ。

　小野寺局長は、道教委の学校力向上に関する総合実践事業に言及。「本事業の取組を学校改善に生かし、教育改革に対応できるようリーダーシップを発揮してほしい」と求めた。

　福島会長は新教育委員会制度やコミュニティ・スクールにふれ、各市町村教委がこうした制度に円滑に移行できるよう協力を要請。小池教育長は小中連携・一貫教育の重要性を強調し、その推進に必要となる学校力の向上を呼びかけた。

　このあと、菅沼館長が「自学力を高める学校経営の推進」と題して講演した。次期学習指導要領の改訂など国の教育改革の動向を説明。そうした動きを踏まえ、①学ぶことに集中できる力②問題を見つけ出す力③他者を優先できる力―の三点からなる「自学力」が本道の子どもに求められていることを説いた。

　学びの型を身に付けさせるため、学習習慣や生活習慣の定着の重要性を指摘。加えて、義務教育九年間で学習時間の確保や指導方法の工夫改善、振り返り、家族で過ごす時間を大切にすることで、自学力の向上に努めるよう訴えた。

　また、地域や保護者との連携・協働体制の確立に向けた留意点を解説。「子ども一人ひとりのものの見方、考え方に共感」「自校の子どもの良さと課題を共有」「子どもの自学力育成に息を合わせて共振」の三点を示した。

　講演後、市大雪クリスタルホールと市神楽公民館で分科会を実施。研究主題のもと、提言発表や研究協議を行った。

(関係団体 2016-08-09付)