高校生などの建設業に対する意識　賃金等で誤解や認識不足　ＰＲが重要―経営者団体調査

（関係団体 2016-09-15付）

　【稚内発】宗谷管内の若手建設業経営者などで組織する宗谷建設青年会（＝宗建会、斎藤敬介会長）は、管内の高校生や保護者、教師を対象に、建設業に関するアンケート調査を実施した。賃金が安い、勤務時間が長いなどのイメージをもつ人が多く、建設業への就職希望者が少ないとの結果が出た。宗建会では、建設業に対する誤解や認識不足が多いと分析し、ＰＲ活動の重要性を再認識。高校生への出前講座などに取り組み、建設業のイメージアップに努めている。

　宗建会は、若手建設業経営者の全道組織である北海道建青会の第三十一回全道会員大会（十六日、ＡＮＡクラウンプラザホテル稚内）を主管している。

　アンケート調査は、全道大会開催に向け、高校生等の建設業に対するイメージなどを調べようと実施したもの。宗谷管内の公私立高校七校に依頼し、生徒七百十九人、保護者五百九人、教師百三十三人、計一千三百六十一人が回答した。

　アンケート結果をみると、建設業が安全・安心確保の役割を果たしていることについて、保護者九〇・四％、教師九〇・二％と九割以上が「知っている」のに対し、生徒は六七・八％にとどまった。

　また、建設業が行うＰＲ活動に対して、「活動を知らない」との回答が生徒六三・九％、保護者六二・五％、教師五三・三％にのぼり、ＰＲ不足の実態が浮き彫りになった。

　建設業に対するイメージのうち、賃金・給与については、保護者四六・〇％、教師四八・九％と半数近くが「安い」と回答。生徒は、「安い」三五・〇％と「分からない」三六・三％がほぼ同率だった。

　勤務時間へのイメージは、いずれも「長い」が最も多い回答。保護者六四・三％、教師六五・九％で、生徒は七五・三％と四分の三を占めた。

　建設業に就職を「希望する」生徒は四・四％どまり。「希望しない」が六五・〇％を占め、その理由（複数回答）として、「他の業種に魅力を感じる」四六・三％、「自分に向いていない」三二・一％などを挙げた。「給料が安い」との回答は一二・〇％だった。

　一方、子どもに建設業への就職を相談された保護者の対応は、「賛成する」三三・五％、「反対する」三四・三％、「分からない」三二・二％と三分の一ずつだった。「反対する」理由（複数回答）では、「給料が安い・安定していない」が四五・九％、次いで、「公共事業減少など将来性がない」が三六・六％だった。

　宗建会では、これらの結果から、建設業に対し、賃金や雇用形態などでまだまだ誤解や認識不足が多いと分析し、ＰＲ活動の重要性を再認識。高校生への出前講座や保護者との意見交換会を行い、建設業の実態を説明している。

　全道大会では、アンケート結果や取組内容などを説明し、魅力ある建設業に向けた意見交換などに活用していく。

(関係団体 2016-09-15付)