県費負担教職員の給与移譲で札幌市　３定市議会に条例案提出　部活動指導手当など新設

（市町村 2016-09-21付）

　来年四月に予定されている県費負担教職員の給与移譲に伴って札幌市の秋元克広市長は、きょう二十一日に開会する市議会第三回定例会に条例案を提出する。道の給料表をベースに「教育職給料表」を新設するほか、休日等に部活動等を指導する際の手当、小・中学校や中等教育学校の前期課程等の教育職員に支給する義務教育等教員特別手当などを新たに設ける方針。年次休暇にかかわっては、道から市への移管に伴い、年度ごとの付与となることから、二十九年度は在職している教育職員は道から付与された年次休暇に最大五日分を加える。

　これまで市町村立小・中学校等の教職員は、市町村の職員だが、その給与については道府県の負担とし、給与水準の確保と一定水準の教職員の確保を図り、教育水準の維持向上を図ってきた。

　しかし、二十六年六月四日に「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」が公布され、県費負担教職員の給与負担等が二十九年四月一日に道府県から指定都市へ移譲されることとした。

　権限移譲に伴い、札幌市では道の条例が適用されている札幌市立学校教職員の給与その他の勤務条件に関し、新たに条例で定めることになった。

　対象は、道費負担の小・中学校等の教職員のほか、道の条例を準用している高校・幼稚園等の教職員など。

　条例案では、給与について、道の給料表をベースに、「教育職給料表」を新設。諸手当は市の制度を適用するが、制度にない休日の部活動等の手当や義務教育等教員特別手当といった教育職員固有の手当などは、道の制度をベースに新設する。

　また、年次休暇については、年ごとの付与だった道の規定を改め、年度ごととする。このため、二十九年度は、条例の施行日となる二十九年四月一日以前に在職する職員について、道から付与された有給休暇に最大五日を加えることとなる。

　その他の勤務条件については、市の制度を適用するが、育児・介護の早出・遅出勤務など教職員の特殊性が認められる部分は現行の道の制度をベースに新設する。

　このほか、管理職員が災害時の児童生徒対応等に当たる際の管理職員特別勤務手当や高校の定時制課程に従事する教育職員に支給する定時制通信教育手当などを盛り込んでいる。

(市町村 2016-09-21付)