幼小中高一貫教育研究大会開く　２００人が研究成果を共有　公開授業、分科会など実施―推進会議と鹿追町教委

（市町村 2016-09-23付）

文部科学省指定を受け、小・中・高１２年間を見通した「新地球学」「カナダ学」を中心に研究を進めている

　【帯広発】鹿追町幼小中高一貫教育推進会議（阿部穣委員長）と鹿追町教委は十五日、鹿追町民ホールなどで幼小中高一貫教育研究大会（研究指定二年次）を開催した＝写真＝。開会式に先立ち、鹿追町内のこども園、小・中学校、高校の六授業を公開。このほか、分科会、講演会などを行い、これまでの同町における幼小中高一貫教育の研究成果を確認した。

　大会テーマは「ふるさとに学び、世界に学び、未来を切り拓く児童生徒の育成～幼小中高連携による新しい教育課程の創造」。大会には教育関係者や児童生徒の保護者など約二百人が参加した。

　同町では、十五年から文部科学省から研究開発の指定を受け、小・中・高十二年間を見通した独自学習「新地球学」「カナダ学」を中心に研究を進めてきた。

　延長指定を受けた昨年度は、「カナダ学」を幼児期～高校までを視野に入れた新総合学科「地球コミュニケーション」に切り替え、新たな教育課程の編成および指導方法を研究。英語を中核にした多様なコミュニケーション能力の向上を目指し、幼・小・中・高の十三年間を視野に入れたカリュキュラム開発に取り組んだ。

本年度は三年次研究の二年次目。研究課題に「幼小中高十三年間を見通した、グローバル社会に対応した新設教科〝地球コミュニケーション〟と〝新地球学〟のカリキュラム開発～二十一世紀を生き抜く汎用的な資質や能力をもつ人材の育成」を掲げ、教科開発の工夫・改善に努めている。

　この日、鹿追町民ホールと鹿追小学校を会場に公開授業や分科会を行ったあと、開会式に移り、鹿追町教委の大井和行教育長があいさつ。研究開発の趣旨やこれまでの取組を振り返った上で、「本大会では、これまでの成果を広く公開し、次年度の研究発表会に生かしたい」と呼びかけた。

　このあと、学習院女子大学の品川明教授が「体験とコミュニケーションから始まる学びの基本」と題して講演した。　

(市町村 2016-09-23付)