旭複連などが教育実践発表会開催　確かな学力定着目指して　旭川市雨紛小で算数２授業公開

（関係団体 2016-09-27付）

学ぶ喜びと自信を実感させる学習を展開した

　【旭川発】旭川市小規模・複式教育研究連盟（菅原良和会長）と旭川市教育研究会（須郷智和会長）小規模校教育研究部は十六日、市立雨紛小学校（横山市子校長）で教育実践発表会を開いた。確かな学力を身に付けさせる学習指導を工夫した同校の算数科二授業を公開。「学ぶ喜びと自信」を実感できる研究の成果の一端を示した。

　同連盟の研究主題は、「自ら創造的に学び、心豊かでたくましく生きる子どもの育成～小規模・複式学級を有する学校の特色を生かし、児童生徒一人ひとりが〝学ぶ喜びと自信〟を実感できる学校・学級経営と学習指導の充実を求めて」。

　同研究会小規模校教育研究部は、研究課題に「ふるさとや学校の特色を生かし、確かな学力と豊かな心を育み、個性を生かす学校・学級経営、学習指導の充実」を掲げた。

　同校は、研究主題「確かな学力を身に付けさせる学習指導の工夫～子どもが〝分かる〟〝できる〟算数科の授業を目指して」のもと、二十五年度から四年計画で研究を推進。①基礎・基本の確実な定着②主体的な学び③伝える意欲―の三点を柱に据えた。

　①では、各種学力調査や単元のプレ・まとめテストによる子どもの実態把握、ＴＴや底力アップタイム（朝学習）を盛り込んだ。②では、指導内容と指導目標を明確化。③では、全学年での学習ルールの設定や、学習リーダーの児童による交流場面を取り入れた。

　この日は、三・四年生（田代良子教諭）、五・六年生（井野亜紀教諭）の算数の授業を公開した。

　うち、三年「１００００より大きい数」（児童数二人）は、八時間扱いの五時間目で、十倍の大きさの数の表し方について理解することを本時の目標に設定。四年「面積」（児童数三人）は十三時間扱いの十二時間目で、複合図形の面積の求め方を考え説明し、面積の公式について理解を深めることを本時の目標とした。

　田代教諭は三年生に対し、「二十円の十倍は何円か」と問題提示し、かけ算を用いて式を考えさせた。一方、四年生に対しては四×六㌢の長方形で右上二×二㌢が欠けた図形を紹介。これまでの学習との違いを意識させながら、複雑な形の面積の求め方を考えさせた。

　その間、三年生は課題「十倍した大きさの数の表し方について調べよう」に従い、一人学習したあと全体で交流した。「ゼロが一つ増える」「位が一つ上がっている」と発表。田代教諭は「ある数を十倍すると位が一つ上がり、もとの数の右はしにゼロを一つつけた数になる」とまとめ、練習問題と振り返りに取り組ませた。

　四年生は二つの四角形や三つの四角形に分けて考える方法、大きな四角形から欠けた部分を引き算する方法で問題を解き、それぞれの解き方の特徴を交流。児童の意見をもとに、田代教諭は「いくつかの長方形に分ける、ない部分を足して全体からひくと、公式を使って面積が求められる」とまとめ、児童に学習を振り返らせた。

　授業後は、全体会や研究協議を行い、小規模校・複式学級における学習指導の充実の在り方を考えた。

(関係団体 2016-09-27付)