28年度道教育功績者表彰受賞者の功績概要(道・道教委 2016-10-04付)
道教委は、二十八年度道教育功績者表彰受賞者に、田中佳樹氏(岩見沢市立明成中学校長)をはじめ十人を決定した(九月二十九日付1面既報)。
受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
▼田中佳樹(五九)=岩見沢市立明成中学校長
昭和五十四年以来、本道の中学校教育に携わり、卓越した識見と指導力で教育実践に当たった。特に、保健体育においては、児童生徒の意欲を引き出すための授業の研究、実践を重ね、体力向上に目覚ましい成果を上げるなど、本道の教育の充実発展に尽力した。
また、深い造詣と教育に対する強い情熱をもとに、教職員との意思疎通を図ることによって組織的な学校経営に当たり、魅力ある学校づくりに努めるとともに、地域や家庭と連携し、地域と一体となった学校づくりに尽力した。加えて、道道徳教育推進事業指定校として、「強い意志で正しく行動する心を培い、実践的態度を育てる道徳教育の推進」を重点に置き、各教科や特別活動等を通じて道徳教育の補充・深化・統合を図り、管内道徳教育の推進に貢献し、教育関係者から高く評価されている。
さらに、道中学校長会理事や空知校長会会長、空知保健体育研究協議会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼早瀬良樹(六五)=前寿都町教委教育長
平成十五年教育長就任以来、各地域で学校教育に差を生じさせないという教育理念のもと、ICT教育機器を導入するとともに、次代を見据え、グローバル化に対応する先進的な取組として、いち早く英語に特化した事業を展開するなど、町内学校教育の充実発展に尽力した。
特に、十九年度から教育課程特例の指定を受けて国際理解教育の授業づくりに着手し、英語教育強化地域拠点事業の指定を受け、小学校英語科の教育課程の研究に取り組むなど、その実績は高く評価されている。
また、地域に開かれた学校づくりを目指し、町内全小・中学校にコミュニティ・スクールを導入した。加えて、全町民を対象とした「健康づくり」に取り組み、その拠点とすべく寿都町総合体育館を整備し、子どもから大人までの健康増進を図った。
さらに、道町村教育委員会連合会理事や後志町村教育委員会協議会教育長部会部会長、道公民館協会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼岡野伸二(五九)=函館市立深堀中学校長
昭和五十四年以来、本道の小・中学校教育および教育行政に携わり、特に、理科教育においては、高い専門性をもって優れた研究実績を収めるとともに、函館市中学校理科教育研究会会長、道中学校理科教育研究会副会長として、優秀な人材の育成に大きな功績を上げるなど、本道の理科教育の充実発展に尽力した。
学校経営においては、教職員の指導力向上によって児童生徒の学力向上に多大な成果を収めたほか、本道における道徳教育の先駆者として、教育実践や公開授業に積極的に取り組み、成果を上げるなど、その実績は高く評価されている。
また、教育行政においては、函館市教委学校教育部長として、教育に対する信念とリーダーシップのもとに、市内教育行政ならびに学校教育の振興・充実に多大な成果を上げた。
さらに、道中学校長会理事や函館市中学校長会会長、道道徳教育研究会理事等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼川野真一(五九)=七飯町立大中山中学校長
昭和五十四年以来、本道の中学校教育に携わり、ALT等の活用や指導方法の工夫改善によって、自己表現力の育成および英語科の基礎学力向上に尽力した。特に、渡島英語教育研究会会長として、永年にわたり英語教育の先頭に立ち、言語活動の充実に積極的に取り組むとともに、研修会や交流授業の積極的な開催を通して若手教諭の育成を図るなど、本道の教育の充実発展に尽力した。
また、部活動へも熱心に取り組み、野球部の顧問としてチームを全国大会へ二度導くなど、その手腕は高く評価されており、それら部活動を通じて、生徒たちの心身の健全な育成と豊かな人間性の形成にも尽力した。
加えて、コミュニティ・スクールの取組について、自校はもとより七飯町全小・中学校への導入について、広く地域住民・保護者と連携し積極的に推進するなど大きな功績があった。
さらに、道中学校長会副会長や渡島小中学校長会会長等の要職を務め、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼中山雅文(六〇)=旭川市立朝日小学校長
昭和五十六年以来、本道の小・中学校教育および教育行政に携わり、生徒指導の機能を生かした授業や児童生徒が主体となった国語の授業、小中併置校の良さを生かしたチーム学校としての授業等を各種研究大会で発信し、本道教育の充実発展に尽力した。
また、道教委の課題解決型授業(アクティブ・ラーニング)に関する調査研究プロジェクトの研究指定を受け、実践推進校としての研究を推進し、連携協力校も含め、道内の多くの学校に成果を発信した。加えて、研究グループのALPS(アクティブ・ラーニング・プロジェクト・スタッフス)の人材育成にも尽力した。
教育行政においては、上川教育局義務教育指導監として、各学校における組織マネジメントの推進や授業改善等の指導助言に努め、学校経営の改善・充実に貢献した。
さらに、全国連合小学校長会理事や道小学校長会副会長、旭川市小学校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼松藤藤吉(六四)=前中富良野町教委教育長
平成十九年教育長就任以来、深い洞察力と鋭敏な判断力、さらには、確かな信念と強いリーダーシップをもって、八年間にわたり教育行政の進展に寄与した。
特に、学力の基礎となる言語活動の充実を図るため、「町読書活動推進計画」の策定など、児童生徒の読書習慣の定着に向けた取組を推進するとともに、子どもが成長していく各段階において重要な幼小中連携や学校間連携の体制整備推進のため、関係機関との調整に取り組み、小中連携会議を発足させるなど、成長各期の円滑な接続を推進することに尽力し、今日の中富良野町における教育環境の基盤を築き上げた。
また、二十六年には、町民待望の図書館を併設した中富良野町の生涯学習の中核となる「ふれあいセンターなかまーる」を供用開始するとともに、その施設設備の充実についても力を注ぎ、社会教育の振興にも貢献した。
さらに、道町村教育委員会連合会理事や上川管内教育委員会連合会教育長部会部会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼東国広(五九)=北見市立南小学校長
昭和五十四年以来、本道の小学校教育に携わり、自然環境を生かした環境教育の推進、PTAと連携した児童の安全確保や体験学習の取組、ホームページやブログを活用した開かれた学校づくりなど、各学校の置かれた環境や地域特性を最大限に活用した先進的な取組を積極的に展開し、教育効果を高めるとともに、「授業改善推進チーム活用事業」指定校として、さらなる改善に取り組み、自校や地域教員の指導力向上に寄与するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。
また、平成十九年から五年間にわたり、オホーツク管内道徳教育研究会会長として、毎年、公開研究会を開催し、自ら授業者として道徳指導の在り方を積極的に提示し、教員の指導力の向上を図り、道徳教育の振興、発展に大きく寄与するとともに、北見市社会教育委員として、社会教育の啓もう啓発、推進に尽力するなど、教育振興への貢献は高く評価されている。
さらに、道小学校長会理事やオホーツク管内小中学校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼石原基博(五九)=帯広市立明星小学校長
昭和五十四年以来、本道の小学校教育に携わり、特に、「個別化・個性化教育」「社会科教育」「国際理解教育」の充実を図り、特色ある教育活動の推進に努めるとともに、学校支援ボランティアを活用した読み聞かせや表現活動など、地域と連携した学校づくりに取り組み、本道の教育の充実発展に尽力した。
また、帯広市が特色ある取組として重点的に推進している「帯広市エリア・ファミリー構想」においては、帯広第四中学校エリア・ファミリーの中核となり、零歳から十五歳の成長を幼保小中連携で支える活動の積極的な推進や、「授業改善推進チーム活用事業」指定校として、巡回指導教員等を活用した、教職員の指導力向上や児童の学力の向上に努めるとともに、日常的に子どもが体力向上に取り組むことができるよう校内環境を整え、平成二十七年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、体力合計点で、男女とも全国平均を上回るなど、着実な成果を上げ、地域住民・保護者からも高く評価されている。
さらに、道小学校長会理事や帯広市校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼梅本宏之(五九)=釧路市立幣舞中学校長
昭和五十五年以来、本道の小・中学校教育および教育行政に携わり、ALT導入期における効果的なTTの在り方を研究し全国提言を行い、ALTを活用した英語指導の工夫改善と並行して生徒の英語実践能力育成に取り組み、英語の基礎学力向上に努め、特に、自校生徒を英語暗唱大会の道大会に出場させるなど、本道の教育の充実発展に尽力した。
また、全国特別活動研究大会分科会助言者や初任者研修での講師等を通して、教職員の授業実践力や力量向上に尽力し、後継者の育成に努めた。
教育行政においては、釧路市教委指導主事室指導主事、総括指導主事として、釧路市立小・中学校への学校訪問指導、各種団体研究会や研修会への助言を行うとともに、日本とアメリカの学校の教育実践姉妹校交流のコーディネーター役を担ったほか、釧路市小中学校校長会・教頭会とのパイプ役や、釧路市教育行政執行方針の策定に携わるなど、多岐にわたる実績は高く評価されている。
さらに、道中学校長会理事、釧路市小中学校校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼渡辺仁平(五九)=厚岸町立真龍小学校長
昭和五十四年以来、本道の小・中学校教育および教育行政に携わり、児童生徒の主体性を重視した教育課程の創造および実践に努め、児童生徒にとって魅力ある学校づくりに尽力した。
中でも、文部科学省の道徳教育共同推進校や、道立教育研究所の児童生徒の学力向上に関する研究の共同研究校として、研究推進の中核的な役割を担い、先進的な研究成果を管内、全道に広く発信したことは特筆すべき功績である。
また、教育行政においては、網走・釧路教育局義務教育指導班指導主事として、確かな知見に裏打ちされた実践的指導力を発揮し、両管内の教育力の向上に大きく寄与するとともに、研究実践をより確かなものにするため、教師個々の知恵と実践の結集に尽力し、教職員の資質や指導力向上に努め、活力ある学校経営を実現した実績は高く評価されている。
さらに、道小学校長会理事や釧路校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
(道・道教委 2016-10-04付)
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