特別支援教育充実へ情報交換会　引継ぎの重要性再確認　コーディネーターら６２人参加

（市町村 2016-10-14付）

シンポジウムを実施

　札幌市立高校・特別支援学校のカウンセリング・特別支援教育推進委員会は三日、札幌市立北翔養護学校で二十八年度特別支援教育コーディネーター等情報交換会を開催した。「中学校から高校への生徒に関する情報の引継の実際」と題してシンポジウムを実施し、中・高のスムーズな接続に向けて研鑚を積んだ＝写真＝。

　①教育的な支援が必要な生徒に関する情報を円滑に移行・接続し、支援を継続していくために必要な事項について共通理解を図る②各校の特別支援教育コーディネーター等の情報交流を行い、連携を図る―の二点が目的。市内中学校や市立高校・特別支援学校のコーディネーターなど六十二人が参加した。

　この日、開会に当たって北翔養護学校の佐藤昌弘校長があいさつ。「それぞれの立場の事情や問題点を理解し合えるような会にしてほしい」と呼びかけた。

　続くシンポジウムでは、高校へ進学する生徒における情報の引継ぎをテーマに四人の話題提供者が自校の取組を紹介した。

　うち、市立札幌大通高校の樋口慶子教諭は「困り感を抱えながら学校生活を送っている」と生徒の実態を説明。引き継ぐことのメリットとして、「生徒理解に役立つ」「配慮事項を素早く全職員に周知することができる」などの点を挙げた。

　その上で、「多くの情報があることで配慮や継続した支援ができる」と細やかな引継ぎの重要性を強調。「良いことも悪いこともすべて引き継がせていただき、今後の支援につなげていきたい」と理解を求めた。

　このあと参加者は、グループに分かれて生徒の引継ぎに関する情報交換を行ったほか、全体でその内容を共有した。

(市町村 2016-10-14付)