小学校は全国平均に近づく 28年度全国学力・学習状況調査結果―帯広市教委(市町村 2016-10-19付)
【帯広発】帯広市教委は、二十八年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。小・中学校の二教科八科目中、中学校数学Aを除く七科目で全国平均を下回る結果となった。一方で、小学校の昨年度比が四科目すべてにおいて全国平均との差が縮まったほか、中学校ではほぼ全国平均に並んだ。結果を受けて市教委は、改善が進んでいると思われる学校の共通点を分析し、「こうした各学校の〝強み〟や〝良さ〟を全市に広げていきたい」と話している。
本年度の全国学力・学習状況調査は市内の小学校二十六校一千二百九十三人、中学校十四校一千三百二十二人を対象に実施した。
結果をみると、小学校では、四科目すべてで全国平均を下回った。その一方で、昨年度と比較すると、四科目とも全国平均との差が縮まっている。特に、五ポイント程度差があった算数A・Bにおいて大幅な改善がみられた。
中学校では、数学Aにおいて全国平均を上回った。国語Bを除く三科目は全国平均から増減一ポイント以内でほぼ全国平均と並んだ。一方で、昨年度と比較すると、国語A・Bにおいては全国平均との差が開いた。
市内小・中学校における平均正答率のばらつきをみると、全国平均を上回った小学校は、国語Aで八校(前年度比一校増)、国語Bで十一校(四校増)、算数Aで九校(五校増)、算数Bで六校(二校増)だった。中学校では国語Aで七校(一校減)、国語Bで前年度と同数の六校、数学Aで前年度と同数の八校、数学Bで八校(四校増)となった。
各領域の平均正答率も公表。小学校をみると、四領域すべてで全国平均を下回ったものの、国語Aでは「話すこと・聞くこと」、観点別で「話す・聞く能力」で全国との差が小さかった。B問題では、観点別で「国語への関心・意欲・態度」、問題形式別では「記述式」で最も全国との差が小さい結果となった。算数Aでは、四領域のうち「量と測定」で全国平均を上回り、問題形式別では「選択式」では下回ったものの全国との差が小さかった。B問題では、四領域すべて全国を下回り、「数量関係」、観点別「数量や図形についての技能」、問題形式別「記述式」で全国との差が大きく開いた。
中学校をみると、国語Aは四領域のうち「書くこと」、観点別では「書く能力」で全国平均を上回った。B問題では、四領域すべて下回り、「書くこと」、観点別では「書く能力」、問題形式別では「記述式」で、全国との差が大きく開いた。数学Aでは、すべての項目で全国平均を上回った。特に四領域のうち「関数」と「資料の活用」で、問題形式別では「選択式」で全国平均を大きく上回った。B問題では、問題形式別「選択式」で、全国平均を大きく上回った。一方、問題形式「記述式」では、全国を大きく下回る結果となった。
質問紙調査においては、小・中学校ともに「家で授業の復習をする児童生徒の割合」が小学校三〇・七%(全国二三・五%)、中学校二三・八%(一八・四%)で全国平均を上回っている。
一方で、「普段一日当たり一時間以上勉強する児童生徒の割合」が小学校五三・〇%(全国六二・五%)、中学校六三・〇%(六七・九%)で全国平均を大きく下回った。
結果を受け、市教委は、「改善が進んでいると思われる学校の共通点として〝冒頭で目標や課題を示し、授業の最後には学習をしたことを着実に振り返る授業を行っている〟〝積極的に公開研究会を開催するなど教職員が一体となった授業改善に取り組んでいる〟などの傾向がみられる」と分析し、「こうした各学校の〝強み〟や〝良さ〟を全市に広げていきたい」とコメント。引き続き、「授業改善」と「望ましい生活習慣の確立」を柱に、学校・家庭・地域の連携を一層進め、地域総がかりで未来を生きる〝おびひろっ子〟の育成に努めていく方針。
なお、調査結果は市のホームページでも公表している。
(市町村 2016-10-19付)
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