２８年度札教研事業「秋の研究集会」②北区中学校理科研究部

（市町村 2016-10-20付）

「水とエタノール」の授業を公開

◆主体的、対話的な学びを―篠路中

　北区中学校理科研究部の会場となった札幌市立篠路中学校（淡路尚広校長）では、一年五組「水とエタノールの分離」（浅里まどか教諭）の授業を公開した＝写真＝。水とエタノールの混合物を加熱すると、温度変化のグラフはどのようになるか実験で検証した。

　同部では研究主題を「基礎・基本を重視し、課題を探求し解決する資質・能力を培う授業の工夫」と設定。研究の柱として、「基礎・基本の習得が明らかになること」「課題を把握するに当たり、主体的な学びになっていること」「課題を解決するに当たり、対話的な学びとなっていること」「自然事象との関連や、他教科との関連をできるだけ図ること」―の四点を据えた。

　公開授業は、全二十九時間構成の二十七時間目。本時の目標を「実験を通して、混合物は状態変化するときの温度が一定ではないことを理解できる」と設定した。

　はじめに浅里教諭は、水とエタノールの沸点・温度変化のグラフを提示。前時までの学習を振り返ったほか、身のまわりには純粋な物質は少なく、混合物が多いことに気づかせた。

　続いて生徒に、「水とエタノールの混合物を加熱すると、温度変化のグラフはどのようになるか」と問いかけ、仮説を発表させた。

　実験では、短時間で状態変化を起こすため、お湯とエタノールの混合物を使用。班での役割分担も明確にさせ、混合物の沸騰の様子の観察と記録が両立できるように工夫した。

　このあと温度変化の様子をグラフにまとめさせ、全班の仮説と結果を黒板に掲示。混合物が状態変化をするときの温度は一定ではないことを理解させた。

　このほか、グラフの変化が緩やかになっている部分では何が起こっているか考えさせたり、取り出した液体は何かを考えさせ、次時の学習へとつなげた。

(市町村 2016-10-20付)