石綿含有断熱材点検で道教委―道議会文教委 11月中めどに報告要請 札幌市に対し改修計画など(道議会 2016-11-04付)
道教委は、一日の道議会文教委員会で、札幌市の学校施設において、アスベストを含む煙突用断熱材の点検未実施があったことなどにかかわり、同市教委に対し、「すべての学校の煙突の点検を実施するとともに、具体的な点検方法や、劣化の症状のあった煙突の改修計画を、十一月中をめどに報告させる」との方針を明らかにした。ほかの市町村については、一部に報告遅れがあるが、今週中をめどに全道分を文部科学省に報告する。今後は、情報の提供や技術的な助言を行うとともに、アスベスト対策の補助対象拡大を国に要望。児童生徒や保護者への丁寧な対応についても指導していく考え。
石綿障害予防規則改正に伴い、吹き付けアスベストに加え、石綿含有保温材等が規制対象に追加されたことを受け、文科省が二十六年度、「学校施設等における石綿含有保温材等の使用状況調査(特定調査)」を実施し、その結果を踏まえた対策・対応を各都道府県教委、各都道府県などに依頼。本年度、そのフォローアップ調査を行い、十月二十四日までの提出を求めた。
一日の文教委員会では、加藤貴弘委員(自民党・道民会議)が今回の事案の経緯や対応などを質問した。
道教委は、札幌市教委から、「二十六年度の文科省調査に当たっては、調査委託費用の確保が難しいことなどから、業務委託による調査は実施できないと判断し、十八年度の調査結果を報告した」との報告を受けたと説明。「アスベスト使用の疑いのある断熱材が落下した学校について、煙突の使用を停止した上で、アスベスト含有の調査を実施し、含有が認められた場合、早急に必要な改修を実施するとともに、このたびの点検で断熱材の落下が確認できなかった煙突についても、計画的な改修を検討している」ことも明らかにした。
村上明寛総務政策局長は「文科省からの指導を踏まえ、札幌市教委に対し、速やかにアスベスト含有の疑いがある煙突のみならず、すべての学校の煙突の点検を実施するとともに、具体的な点検方法や、劣化の症状のあった煙突の改修計画を、十一月中をめどに報告させるなど、適切なアスベスト対策に万全を期していく」との方針を示した。併せて、学校給食の提供に支障を来していることから、「事実関係を含め、丁寧な説明を尽くすよう指導していく」と述べた。
ほかの市町村や道立学校、社会教育施設については、報告内容の精査を求め、一日時点で三市町の報告が遅れているが、「今週中をめどに、全道分を文科省に報告していく」という。
杉本昭則教育部長は「本年度の調査結果を的確に把握、分析した上で、市町村教育委員会に対し、必要な措置を速やかに講じることを求めていく」とし、「学校において、アスベストの粉じんの飛散によって、児童生徒等に重大な健康被害が起こることのないよう、知事部局とも一層連携しながら、アスベストに関する情報の提供や、技術的な助言を行うとともに、アスベスト対策に向けた、必要な財政支援について、国に要望するなど、適切かつ迅速なアスベスト対策に取り組んでいく」と答弁した。
国に対しては、小規模な改修に対応できるよう、補助対象拡大を求める。
◆「調査中」の学校に早期完了を要請
また、佐野弘美委員(日本共産党)の質問に答え、道教委は、二十六年度調査の時点で、室内に露出している保温材等を使用している一千六百七十六校、また、煙突用断熱材を使用している一千百六十七校、二千二十六本の煙突のうち、アスベストを含有する断熱材を使用している五百三十七校、七百三十五本のいずれにおいても、劣化、損傷などによって、粉じんが飛散し、アスベストが体内に取り込まれるおそれはなかったことを説明した。
保温材等の使用状況で十校、煙突用断熱材の使用状況で二百六十五校が「調査中」としていたことから、早期の完了を要請するとともに、実施予定などを照会し、調査実施時期の前倒しを働きかけたという。
村上総務政策局長は「児童生徒および教職員の健康相談など、アスベストによる健康問題への対応について、道教委における相談体制や専門機関の相談窓口など、あらためて情報提供を行い、市町村教委が適切に対応できるよう指導助言していく」と答弁した。
一方、道は、二十六年度調査で、私立学校三十八校、専修学校等二校が「調査中」だったと報告。
本年度調査では、保温材等の使用で三校が「調査中」。また、煙突用断熱材の使用で、「調査中」の学校はないが、「不明」の学校が五校あると説明した。
(道議会 2016-11-04付)
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