羅臼町が立教大学と協定締結　ＥＳＤ実証研究で連携　地域創生へ人材育成

（市町村 2016-11-14付）

湊屋町長と阿部所長が協定書を交わした

　【根室発】羅臼町は十月下旬、町役場で立教大学とのＥＳＤ連携協定覚書調印式を実施した。湊屋稔町長と同大学ＥＳＤ研究所の阿部治所長が協定書を交わし＝写真＝、地域創生および創生を担う人材育成に向けて互いに協力していく意向を確認した。

全国２例目

　町は従来からＥＳＤ（持続可能な開発のための教育）を推進しており、地域創生と創生を担う人材育成に役立てるべく協定を結ぶことを決定。ＥＳＤによる地域創生を目的とした大学と自治体による覚書の締結は、長崎県対馬市に続いて全国二例目になるという。

　調印式では、冒頭に阿部所長が協定締結に至る経緯を説明。立教大学では九年前にＥＳＤ研究センターを国内で初めて設置したことや、昨年から五ヵ年計画のプロジェクトに着手したことなどにふれ、「羅臼町には、基幹産業の漁業や観光など、世界自然遺産・知床というブランドを生かせる素材がそろっている。ＥＳＤの実証研究を通し、私たちも町に貢献したい」などと話した。

　協定書を交わしたあと、湊屋町長があいさつ。「ＥＳＤについて、私たちが学んでいくべきことはまだまだ多い。知床学やユネスコスクールなど、これまで進めてきた取組をＥＳＤの視点に立ちながら再検証していきたい」と抱負を述べた。

　阿部所長もあらためてあいさつし、連携を強化していく意向を示した。

　同大は、国内初のＥＳＤ研究機関として、平成十九年にＥＳＤ研究センターを設立。のちに、ＥＳＤ研究所に名称変更した。ESDを実質的に機能させる「人づくり」「地域づくり」の創出によって社会に寄与することを目的としている。ＥＳＤ教育システムや教育者養成システムの研究開発のほか、同大が立地する池袋地区の持続的発展に関する調査など、様々な研究を展開している。

(市町村 2016-11-14付)