強い決意でともに取組を 長岡教育長の緊急集会訓示―札幌市教委
(市町村 2016-11-10付)

札幌市教委緊急集会訓示
あらゆる機会をとらえ職員全体で取り組むことを求めた

 札幌市教委が四日に開いた全市立幼稚園長・市立学校長緊急集会(七日付8面既報)で、長岡豊彦教育長が訓示した=写真=。訓示の概要はつぎのとおり。

          ◇          ◇          ◇

 前年度に窃盗未遂および傷害事件、わいせつ行為が発生したことを受け、教育委員会と全学校が一丸となって不祥事根絶に向けての取組を進めていくことについて、皆さんと認識の共有を図った。

 こうした取組を進めたのにもかかわらず、本年度に入って六月に発生した管理職による酒気帯び運転に加え、教諭による複数の生徒に対するわいせつ行為が発生した。このように度重なる不祥事によって、教育公務員に対する信頼が大きく損なわれたことは極めて遺憾だ。

 特に、今回のわいせつ行為は部活動の合宿という学校管理下で発生した事案。極めて重大な事態で、このような状況に私はこれまでにも増して非常に強い危機感を感じているし、皆さんも同じ思いをされているのではないかと思う。

 公務員倫理の確立および服務規律の確保については、これまで継続的に様々な機会を通じて徹底を図り、全教職員の意識向上に向けて取組を進めてきた。ことし六月の緊急集会でも話したが、あらためて伝えたいのは不祥事を起こした場合にどういうことになるのか、よく考えてほしいということだ。

 学校で働く教育公務員については、市民から教育者にふさわしい一層高い倫理観が求められていることは言うまでもない。わいせつ行為や飲酒運転等、法令に抵触するような行為は言語道断であり、不祥事を起こした教職員がその責任を問われるのは至極当然のことだ。

 さらに、そのような不祥事を起こした教員が、教壇へ復帰することは絶対にあってはならない、不可能なことと認識しなければならない。

 最優先で考えなければいけないのは、子どもたちに与える影響だと思う。一度信頼を失った教員からの指導を、子どもたちや保護者は決して受け入れることはない。

 さらに、教員個人にとどまらず、周囲の先生方や学校全体にも甚大な悪影響を及ぼすことになる。

 近年の懲戒処分の件数自体は、減少傾向にある。これは紛れもなく、現場の先生方の危機意識の高まりと、管理職の皆さんの尽力によるもの。

 しかし、一方で、毎年、一定数の懲戒処分が行われていることも事実。私は一件たりとも不祥事を起こしてはならないという強い決意をもって、皆さんとともに取組を進めていきたい。

 校長先生には、きょうの話を職員全員に直接伝えてもらうとともに、自分の職場から不祥事を起こす職員を出さないために、あらゆる機会をとらえて職員全体で取り組んでいくことを強くお願いする。

(市町村 2016-11-10付)

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