道町村教委連文教施策要望に対する道教委回答〈下〉
(関係団体 2016-11-15付)

 道町村教育委員会連合会(栗本英彌会長)の二十九年度文教施策要望に対する道教委の回答はつぎのとおり。

【学校教育の改善・充実】

▼公立文教施設の整備促進

▽新増改築など、文教施設整備に対する必要事業量の確保と事業の早期採択について国に要望していただきたい。

〈回答〉

 道教委では、国に対し二十九年度「国の施策および予算に関する提案・要望」において、公立学校施設の整備について、必要な財源・事業量の当初予算での確保や施策の充実を要望しており、引き続きその実現に向けて要望していきたい。

▽屋外教育環境整備事業について、補助制度の拡充や必要事業量の確保を引き続き国に要望していただきたい。学校施設環境改善交付金事業の大規模改修事業にかかる財政支援の充実と、交付金の引き上げについて国に要望していただきたい。

〈回答〉

 道教委では、国に対し二十九年度「国の施策および予算に関する提案・要望」において、公立学校施設の整備について、必要な財源の確保や施策の充実を要望しており、引き続きその実現に向けて要望していきたい。

▽学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす場所であるほか、災害時の地域住民などの避難場所とされているため、早期に耐震化が一層推進できるよう、施策の充実と必要な財源措置を国に要望していただきたい。

 耐震化が必要なIs値〇・三以上〇・七未満の公立学校施設についても、補助率の引き上げや地方交付税による財政支援の充実を図るとともに、耐震診断のみについても交付対象とされるよう国に要望していただきたい。

〈回答〉

 公立学校施設は、児童生徒等が一日の大半を過ごす学習・生活の場であるとともに、災害発生時には地域住民の避難所としての役割を果たすことから、その安全性の確保は極めて重要な課題となっており、道教委では、国に対し二十九年度「国の施策および予算に関する提案・要望」において、学校施設の耐震化にかかる必要な財源の確保や施策の充実を要望しており、引き続き、その実現に向けて要望していきたい。

▽学校施設の非構造部材の耐震対策にかかる財政支援は算定割合三分の一、下限額四百万円であるが、一校当たりの事業費は下限額を下回ることで市町村の全額負担となるため、財政支援制度の改善を国に要望していただきたい。

〈回答〉

 公立学校施設は、児童生徒等が一日の大半を過ごす学習・生活の場であるとともに、災害発生時には地域住民の避難所としての役割を果たし、建物の耐震化と同様に非構造部材の耐震対策も極めて重要な課題であることから、道教委では、国に対し二十九年度「国の施策および予算に関する提案・要望」において、非構造部材の耐震を進めるための補助要件の緩和や地方財政措置などの支援の充実を要望しており、引き続きその実現に向け要望していきたい。

▽実際の工事に要する経費と国の建築単価のかい離が生じており、市町村の負担が増加しているため、実情にあった建築単価の引き上げを国に要望していただきたい。

〈回答〉

 公立学校施設整備にかかる建築単価については、二十七年度に三・七%増額されたが、依然として実施単価とかい離がある。

 道教委では、国に対し二十九年度「国の施策および予算に関する提案・要望」において、公立学校施設の整備について、必要な財源の確保や施策の充実を要望しており、引き続き、その実現に向けて要望していきたい。

▽学校給食施設整備にかかる施策(ドライ化等)の充実が図られるよう国に要望していただきたい。

〈回答〉

 学校給食施設・設備については、ドライシステム化の整備などにかかる施策の充実について、引き続き、国に要望していきたい。

▽学校給食設備の更新には多額の費用を要することから、更新にかかる補助制度の創設を国に要望していただきたい。

〈回答〉

 学校給食施設・設備については、学校施設環境改善交付金によって計画的に整備を行っている。

 道教委としては、給食設備の更新にかかる補助制度を創設するよう、引き続き、国に要望していきたい。

▽理科教育等設備整備費について、全額国庫負担にすることを含め、補助率の引き上げを国に要望していただきたい。

〈回答〉

 理科教育等設備にかかる施策については、新学習指導要領への移行期間において少額設備の購入も補助対象とされたことや、二十一年度に経済危機対策として、また、二十四年度には緊急経済対策として大規模な予算が確保された。

 道教委としては、学校教育設備の整備・充実を図るため、理科教育等設備にかかる施策の充実について、引き続き、国に要望していきたい。

▽小中一貫校の施設整備などにかかる国庫補助率の上乗せや、起債などの制度の創設について国に要望していただきたい。

〈回答〉

 昨年度、国では小中一貫教育に適した学校施設の在り方に関する報告書を策定した。

 さらに、小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う「義務教育学校」を新たな学校の種類として規定する学校教育法等の一部を改正する法律が成立し、二十八年四月一日から施行されることとなり、小中一貫校が制度化された。

 このことから、学校施設環境改善交付金および公立施設費国庫負担金等に関する関係法令などの運用細目においても、小学校・中学校と同等の内容で義務教育学校を位置付け、現行の新増改築事業の補助制度を活用することによって整備することができるようになった。

 また、道教委では、今後、地域の実情に応じた小中一貫教育を可能とする施設環境の整備を推進するため、国の動向にも注視しながら、関係団体とも連携して、さらなる必要な財源の確保や施策の充実等について、国に要望していきたい。

▼就学援助費補助金の拡充

要保護児童生徒に対する就学援助費の補助率の引き上げなどを図るよう、国に強く要望していただきたい。

〈回答〉

 道教委では、市町村が必要な就学援助を行えるよう、補助金や交付税の財源措置の拡充についてこれまでも国に要望しているが、市町村の認定要件や援助項目に違いがあることから、国においてガイドラインを策定することを含めて、引き続き要望していきたい。

▼教員養成および研修体制の充実

▽道立教育研究所の研修事業は長期休業中の講習を増やし、受講機会の拡充を図っていただきたい。

〈回答〉

 道立教育研究所における長期休業中の研修については、教科指導・生徒指導等に関する研修講座のほか、理科特別研修講座、教職員の都合に合わせて行う道研フリープラン研修(自主研修)などを実施している。

 また、各管内の実情やニーズなどに応じて実施しているミニ道研や「市町村教委連携」研修講座についても受講機会の拡大に努めている。

 今後においても、可能な限り長期休業中に研修講座を実施できるよう努めていきたいと考えている。

▽道立教育研究所の研修事業に小中一貫教育に関する内容を追加し、小中一貫教育を推進している自治体の教員や積極的に研修を受講したい教員の受講が可能となるようにしていただきたい。

〈回答〉

 道立教育研究所では、学校経営・運営研修講座等の研修講座において「小中連携」にかかる内容を扱っており、そのほかに「市町村教委連携」研修講座でも市町村教委のニーズに応じた出前型の研修を提供している。

 また、小中一貫教育に関する研修受講を希望する教員にあっては、二十六年度から道教委が実施している「小中連携、一貫教育実践事業」や、二十七年度から国の指定によって実施している「小中一貫教育推進事業」の指定地域や指定校が実施する公開授業や成果発表会、また、道教委が開催する全道フォーラムへの参加が可能となっている。

 道教委では、今後、北海道らしい小中一貫教育を進めるための方針を策定するとともに、具体的な学校間の連携の在り方などを示した手引を作成し、地域の実情に応じた小中一貫教育の一層の導入が図られるよう、教員研修を含めて取り組んでいく。

▽小中一貫教育にかかる九年間の教育課程について、道教委において、例えば、全道もしくはブロックごとにカリキュラムの共同開発などを行える体制を構築するなど、カリキュラム開発・研究の支援体制を充実していただきたい。

〈回答〉

 義務教育学校ならびに中学校併設型小学校および小学校併設型中学校の制度の導入に当たり、国では、現在、小中一貫した教育課程の編成・実施に関する手引を作成中であり、道教委では、今後、その内容を踏まえつつ、小中一貫教科等の設定や指導内容の入れ替え・移行など教育課程の基準の特例にかかわる先行事例を市町村教委に情報提供するとともに、実際の作成に当たっては、指導主事による支援を行っていく。

▼特別支援教育の充実

▽特別支援学級および通級指導教室教員の研修の機会や、特別支援教育の教員配置のより一層の拡充に配慮いただきたい。

〈回答〉

 特別支援学級および通級指導教室の担当教員の専門性を向上させるため、道教委および道立特別支援教育センターにおいて各種研修を実施しているほか、センター的機能の一環として、特別支援学校が小・中学校などからの依頼によって行う助言などの相談支援に伴う旅費を措置しており、今後も、研修日程の拡充や内容の充実、必要な予算の確保に努めていきたいと考えている。

また、特別支援学級の教員配置については、標準法に準拠し、学級数に応じた配置となっているが、肢体不自由、情緒障害、知的障害学級で児童生徒数が七人以上の場合に道独自の措置として一人加算するほか、通級指導を行う学校への加配措置を行うなど、教職員配置の充実に努めている。

 今後とも、障がいのある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導、支援を適切に行うことができるよう、定数措置の一層の拡充について、引き続き、国に要望していきたい。

▽公立小・中学校に在籍する障がいのある児童生徒のための支援策として特別支援教育支援員の配置に当たり、有資格者も確保できるよう交付税措置の増額について国に要望していただきたい。

〈回答〉

 道教委では、幼稚園および小・中学校に配置する特別支援教育支援員に関し、配置数などの拡充が図られるよう、毎年度、国に対し、地方財政措置拡充の要望をしており、今後とも、継続して要望していく考えである。

 なお、幼稚園および小・中学校に配置する支援員配置に関する本年度の地方財政措置額については、増額が図られている。

▽現行の特別支援教育就学奨励費においては、重度重複障がいのある児童生徒にかかる修学旅行の付添経費などは、特別支援学校の在籍児童生徒は補助対象であるが、市町村立小・中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒は補助対象となっていない。

今後、市町村立小・中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒についても、補助対象となるよう特段の配慮を願いたい。

〈回答〉

 道教委では、障がいのある児童生徒等の保護者の経済的負担軽減を図る観点から、これまでも、付添人経費の支給対象範囲の拡大など就学奨励にかかる施策の充実が図られるよう、国に対して要望しており、引き続き、要望していきたいと考えている。

▽障がい種別(特に病弱、肢体不自由児)で学級に複数の子どもたちが在籍の場合は、教員の複数配置となるよう国に要望していただきたい。

〈回答〉

 特別支援学級の教員配置については、標準法に準拠し、学級数に応じた配置となっているが、肢体不自由、情緒障害、知的障害学級で児童生徒数が七人以上の場合に道独自の措置として一人加算するほか、通級指導を行う学校への加配措置を行うなど、教職員配置の充実に努めている。

 今後とも、障がいのある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導、支援を適切に行うことができるよう、定数措置の一層の拡充について、引き続き、国に要望していきたい。

▽特別支援学級在籍の児童生徒が医療機関に入院(短期)し、併設する特別支援学校や院内学級で教育を受ける場合の転校手続きの特例・簡素化を国に要望していただきたい。

〈回答〉

 全国都道府県教育委員長委員協議会・全国都道府県教育長協議会による「国の施策ならびに予算に関する要望」において、国に対し、「病気のため入院療養中の児童生徒に対しては、院内学級等への学籍異動事務を省略し、事務軽減および円滑な児童生徒の異動を行うことができるようにすること」「院内学級等で実施した教育指導を学籍校の教育課程の一部とみなす制度に改正すること」と要望しており、引き続き、同様の趣旨を要望していきたい。

▽各小・中学校に配置する特別支援教育支援員にかかる地方交付税の算定基準を引き上げ、特別支援教育支援員の人数に応じる算定基準に改正するよう国に要望していただきたい。

〈回答〉

 道教委では、幼稚園および小・中学校に配置する特別支援教育支援員に関し、配置数などの拡充が図られるよう、毎年度、国に対し、地方財政措置拡充の要望をしており、今後とも、継続して要望していく考えである。

 なお、幼稚園および小・中学校に配置する支援員配置に関する本年度の地方財政措置額については、増額が図られている。

▼高校の配置

▽全日制小規模高校および定時制高校の配置については、「新たな高校教育に関する指針」によって、基本的な考えが示されているが、地方(郡部)においては、高校の地域振興に果たす役割が大きいので、都市部と郡部の違いを考慮し、小規模校を抱える地域の意見を聞いて、配置の見直しは慎重に検討いただきたい。

〈回答〉

 本道の中学校卒業者数は、ピーク時の半分を下回る状況となっており、そうした中、一定規模の生徒や教職員による、活力ある教育活動を展開する観点から、高校の再編整備を進めているが、配置計画の策定に当たっては、各学区ごとに開催している地域別検討協議会に加えて、個別に市町村を訪問する機会や地元の検討の場などを通じて地域の方々の意見を伺うとともに、学校や地域の実情を十分に考慮しながら進めている。

 今後とも、高校における教育水準の維持向上や教育環境の充実を図ることを基本とし、広域な本道における都市部と郡部の違い、今後の中卒者数、生徒の進路動向などを考慮し、地域別検討協議会などにおける地元市町村の意見なども参考としながら、検討していきたい。

▽高校の総合学科を設置するに当たっては、地方における中等教育の振興、高校の活性化を果たす役割が大きいので、地域の実情を考慮し、設置していただきたい。

〈回答〉

 道教委としては、総合学科については、「新たな高校教育に関する指針」に基づき、できるだけ多くの通学区域に設置してきたところであり、現在町立を含め十六校設置している。

 総合学科の設置に当たっては、地域の特性に応じた教育内容の設定や教育活動における地域との連携が重要であることから、これまでも、地域の方々や学校関係者の理解を得ながら進めてきたところであり、今後とも、地域の方々の要望などを踏まえ、中学校卒業者数の状況や進路動向、都市部と郡部との違いなどを総合的に勘案しながら取り組んでいきたいと考えている。

▽「新たな高校教育に関する指針」が実施され、八年が経過していることから、指針の評価を実施し、「本道の高校教育のあるべき姿」「高校配置の在り方」について見直しを行う必要があると考える。

 その際、①「公立高校配置計画地域別検討協議会」おける意見や地元市町村の理解や要望を、高校の配置計画に対して大きく斟酌する材料とするよう願いたい②都市部と郡部の教育的環境に格差を生じることのないよう配慮願いたい③市町村立高校設置者を含め、各圏域ごとに特色ある教育環境を道と市町村がともに保障していくような協議の場を設定するよう願いたい。

〈回答〉

 現行の指針は、高校進学率が九八%を超える中で、生徒の能力・適性、興味・関心、進路希望などが多様化する一方、昭和六十三年度をピークとした中学校卒業者数が半減するなど、高校を取り巻く環境の変化に対応した、高校教育の基本的な考え方を示したものである。

 配置計画は、この指針に基づき、高校進学希望者数に見合った定員を確保するとともに、教育水準の維持向上を図る観点から、都市部と郡部の違いや、地域の実情などを考慮しながら策定している。

 また、広域分散型の本道において、人口減少社会への対応や地方創生の観点から、地方の教育機能を確保することも重要な課題であることから、現在、庁内に設置している高校教育検討委員会において、指針に基づく、教育内容の改善・充実の状況や、新しいタイプの高校づくり、高校配置などの各種取組の進捗状況を把握・分析するなどして、成果や課題についての検討を進めており、ことし九月を目途に、指針に基づく施策の検証結果を取りまとめていきたいと考えている。

 今後とも、高校が地域で果たしている役割や、高校教育を取り巻く環境の変化を見極め、地域別検討協議会をはじめ様々な機会を通じて、保護者や地域の方々の意見などを伺いながら、魅力ある学校づくりを進めるとともに、適切な高校配置となるよう努めていきたいと考えている。

▼学校支援地域本部事業の充実

学校支援地域本部事業にかかる補助事業の継続と補助の増額を国に要望していただきたい。

〈回答〉

 学校支援地域本部事業については、これまでも国に対し財源措置の継続および拡充を要望しおり、今後とも、全国都道府県教育委員会連合会などとも連携しながら、国に要望していきたい。

▼フッ化物洗口剤の支援

新規にフッ化物洗口を実施する公立の幼稚園や小・中学校に対して、二十四年度と同様にフッ化物洗口に必要な薬剤の支援をお願いしたい。

〈回答〉

 フッ化物洗口については、未実施市町村における円滑な導入の支援の一環として、二十四年度までに道教委の指定を受けた公立の幼稚園、小学校および中学校に対して、知事部局と連携し、導入初年度の器材および薬剤の支援や、指定期間にかかる二年目以降の試薬相当分の薬剤を負担しており、二十五年度からは、町村教委連などの要望を受け、新規にフッ化物洗口を実施する公立の学校等に対して、初年度分の薬剤支援を行っている。

 道教委としては、今後、知事部局と連携し、新規にフッ化物洗口を実施する学校などへの負担軽減措置について検討していきたい。

▼子どもたちのインターネット利用にかかる施策の推進

道教委によるネットパトロール業務の継続をお願いしたい。

〈回答〉

 道教委では、「北海道教育推進計画」に基づき、「有害情報に対する指導の充実」を図る観点から、児童生徒のネットの不適切な利用による、ネット上のいじめ等の問題行動の未然防止、早期発見・早期対応に向け、国の「いじめ問題等の解決に向けた外部専門家活用事業」(国庫補助事業)を活用し、民間業者にネットの監視を委託するなど、ネットトラブルの未然防止にかかる学校の取組の支援に取り組んできた。

道教委としては、依然として憂慮すべき状況にある、出会い系サイト、コミュニティサイトなどによる福祉犯被害やネット上のいじめ等の未然防止や早期発見・早期対応を図る上で、ネットパトロールは、重要な事業と考えており、引き続き、国に対して、支援事業の拡充について働きかけていきたいと考えている。

【生涯学習・社会

教育の振興・充実】

▼生涯学習の振興

▽生涯学習を推進するため、各種施策の充実を図っていただきたい。

〈回答〉

 本道における今後の生涯学習の推進の指針として、二十七年二月、「第三次北海道生涯学習推進基本構想」を策定した。

 第十二期北海道生涯学習審議会「審議のまとめ」を踏まえ、道教委としては、道民の学習実態や道の生涯学習関連施策の状況などを把握、分析、検証し、基本構想で示している三つの重要な視点(「道民の学びを行動へつなげる」「子どもたちの学びを広げ、支える」「地域のよさや課題を学ぶ」)を踏まえた、道民カレッジや指導者養成の充実など、さらなる生涯学習推進に向けた環境整備に取り組んでいきたいと考えている。

▽学校図書の整備充実に加え、新聞を十分に配備できるよう、交付税措置の継続および増額について国に要望していただきたい。

〈回答〉

 小・中学校における学校図書の整備と新聞の配備については、国においてすでに地方財政措置がなされており、道内各市町村における図書整備状況や新聞配備状況を踏まえ、国への要望を検討していきたい。

▼地域文化の振興

▽文化財保護のため、国庫補助事業計画の完全採択および国庫補助の増額を図るよう国に要望していただきたい。

〈回答〉

 国民共有の財産である文化財は、つぎの世代へ適切な形で保存・伝承していくべきものであるため、その保存と活用にかかる国庫補助事業計画の完全採択などについて、要望の趣旨を踏まえ、国に働きかけていきたいと考えている。

▽埋蔵文化財発掘調査費用の国庫補助制度の改善および専門職員の配置についての財政的支援を国に要望していただきたい。

〈回答〉

 これまでも道の「国の施策および予算に関する提案・要望」において、専門職員の法的位置付けを明確化する必要があることなどについて、国に要望しており、引き続き、国に要望していきたい。

▼社会教育指導体制の強化

社会教育主事の専任配置については町村においても努力をしているが、生涯学習推進のため、当面は派遣社会教育主事(スポーツ担当を含む)制度の継続をぜひお願いしたい。

〈回答〉

 社会教育主事は市町村自らが配置するものであるが、道教委としても、市町村の社会教育推進体制の整備への支援のほか、青少年の体験活動の充実、家庭教育の支援など、今日的な課題などに対応するため、派遣社会教育主事(スポーツ担当を含む)制度については、当面、継続していきたい。

なお、道教委としては、市町村に対する派遣数が限られており、人材の共有や教育資源の活用など、複数の市町村による広域的な取組が必要であることから、今後とも、広域的な社会教育を推進する意向のある市町村に対し効果的に派遣を行っていきたいと考えている。

【いじめ・

不登校対策】

スクールカウンセラーの配置について、スクールカウンセラー活用事業のより一層の拡充を図っていただきたい。

〈回答〉

 スクールカウンセラーの配置については、国のスクールカウンセラー等活用事業(国庫補助事業)を活用し、臨床心理に関する専門的な知識や経験を有する人をスクールカウンセラーとして、札幌市立を除く道内の公立学校(主に中学校を対象)に配置しているほか、二十五年度から、配置校以外のすべての中学校を対象に年一回の派遣が可能となるよう、派遣拡充のための取扱要領を定め、予算を措置している。 

 また、未配置校において、緊急に児童生徒の心のケア等を必要とする案件が発生した場合は、配置校以外にもスクールカウンセラーを緊急派遣している。

 道教委としては、スクールカウンセラー活用事業は、学校の教育相談体制の充実を図る上で重要な事業と考えており、引き続き、国に対して、制度の充実を働きかけていきたいと考えている。

【NHKテレビの

放送受信料免除

措置の継続】

学校での放送教育の利用は多く、その教育効果も極めて高いものがあるので、教室などの放送受信料免除措置について継続されるよう、日本放送協会に対して働きかけていただきたい。

〈回答〉

 日本放送協会(NHK)の放送受信料の免除措置については、義務教育諸学校における教育内容の一層の充実・向上と放送教育の普及・拡大の観点から、平成十一年八月に日本放送協会札幌放送局長および同局を通して日本放送協会会長に対して、免除措置の継続を要望するとともに、これまで、国に対して要望してきた。

 今後とも、日本放送協会の動向を注視しながら、引き続き、日本放送協会や国などの関係機関に働きかけていきたいと考えている。

(関係団体 2016-11-15付)

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