札幌市学校教護協会が研修会　いじめ対応などで研鑚　甲南大・福井教授が講演

（関係団体 2016-11-15付）

会員１７０人が参加した

　札幌市学校教護協会（小原善孝理事長）は四日、ホテルライフォート札幌で第三回理事幹事研修会を開催した＝写真＝。甲南大学教授の福井義一氏が「いじめとトラウマ、解決への提言」と題して講演。参加した会員約百七十人は、トラウマの影響やいじめの解決方法について理解を深めた。

　同研修会は、生徒指導について研修を深め、資質・能力の向上を図ることを目的に実施しているもの。

　冒頭、小原理事長があいさつ。いじめの問題など一朝一夕では解決できないことにふれ、「問題解決は学校全体がチームとして一丸となって取り組むもの。その中心となる皆さんが現場で力を発揮してほしい」と呼びかけた。

　続いて、福井氏が講演した。いじめや虐待などが日常的に繰り返されることが原因となる「反復性トラウマ」など、トラウマの種類を紹介。心理面・身体面・行動面に影響が出ることを説明した。

　トラウマが原因で悩んでいる子どもについては、悩みの原因が分からないことや誰にも理解されないことなど、その心理状態を紹介。子どもにその原因を説明して安心させるなどが解決策となることを説明した。

　また、いじめについては、被害者が大きな傷を負うことから早めの介入を求めたほか、「加害者が一〇〇％悪という態度で臨むこと。被害者に問題があると考えるのは論外」と強調した。

　いじめの解決に向けては、いじめに関するアンケート調査を何度も行うなど相談できる環境を整えるほか、いじめの引き金となる原因の除去や安全の確保など被害者の支援を優先することを求めた。

(関係団体 2016-11-15付)