同じ志もって子を育成 道研が学生対象にセミナー
(道・道教委 2016-11-17付)

地域教育セミナー鶴羽委員
ゲストスピーカーの鶴羽委員

 道立教育研究所(秋山雅行所長)は十二日、同所で二十八年度「北海道教育の日」協賛事業「道研地域教育セミナー」を開いた。七大学から教員を目指す学生百四十人が参加。道教委の鶴羽佳子委員をゲストスピーカーに招いたレクチャー「子どもたちの笑顔のためにできること」では、グループワーク等を通して、子どもたちの課題や意欲的な学習活動を進めるためのポイントを考えた。鶴羽委員は「同じ志をもって、子どもたちを育んでほしい。皆さん自身が輝いてほしいし、子どもたちみんなを幸せにしてほしい。それができる存在であることに誇りをもって頑張ってほしい」と学生たちを激励した。

 同セミナーは、将来の本道の教育を担う教員を志望する大学生が、自己の目指す教師像と課題を明確化し、今後の学生生活を充実させ、教員としての資質・能力向上への意識をもたせる契機にしようと開催。

 北翔大学、札幌大学、道情報大学、道教育大学、道文教大学、札幌大谷大学、札幌学院大学の七大学から教員志望の学生百四十人が参加した。

 プロローグでは、道研の担当者がクイズ形式で、「これからの教員に求められる資質・能力」を考察。「時代や社会、環境変化を的確につかみ取り、学び続けることができる教員になって、本道の子どもたちの明るい未来を切り開いてほしい」と求めた。

 続くワークショップでは、数人ずつ、二十のグループに分かれた学生たちに、四十枚の白紙を配布。グループ全員で作戦を立て、協力しながら、道具を一切使わずに紙で高い塔をつくるアクティビティ「ペーパータワー」を行った。

 活動後は、一人ひとりが振り返りシートを使って、グループの中で自分がどんな役割を担えたのか、仲間がどんな役割を果たしてくれたのかを記入し、それをもとに意見交換。仲間で一つのものをつくり上げることを通して、コミュニケーション能力を育む取組について学んだ。

◆道教委・鶴羽委員が参加者を激励

 セミナー後半では、道教委の鶴羽委員をゲストスピーカーに招き、レクチャー「子どもたちの笑顔のためにできること」を行った。

 レクチャーでは、「なぜ、子どもたちは失敗を恐れるのか」「なぜ、自分で考えようとしないのか」「なぜ、チームを組めないのか」など、最近の子どもたちの課題について考えるグループワークを実施。鶴羽委員は、活動を通して、相手ときちんとコミュニケーションをとりながら話し合ったり、大勢の人たちに向けて発表したりするためのコツなどを指導した。

 また、教室内の整理整頓や徹底したノート指導、美しく分かりやすい板書、立腰の姿勢など、子どもたちの集中力を保ち、意欲的に学習に臨ませるためのポイントを挙げた。

 さらに、子どもたちのコミュニケーション能力を伸ばすため、会話力を伸ばすことと自己肯定感を高めることが必要と指摘。

 そのために、子どもに話しかけ、緊張感を解くこと、子どもが話したことや行ったことを受け止めること、子どもを褒めたり、共感したりするなど、プラスのメッセージを伝えることが大切とした。

 その上で、「同じ志をもって、子どもたちを育んでほしい。北海道の未来を担う子どもたちを育てるのは、皆さん一人ひとり。皆さん自身が輝いてほしいし、皆さんが一年間、同じクラスでふれあう子どもたちみんなを幸せにしてほしい。それができる存在であることに誇りをもって頑張ってほしい」と学生たちを激励した。

この記事の他の写真

地域教育セミナーペーパータワー
アクティビティ「ペーパータワー」

(道・道教委 2016-11-17付)

その他の記事( 道・道教委)

第13期第2回道生涯学習審議会 担当部署越えシステム化 専門的な資質・能力育成を

道生涯学習審議会  第十三期第二回道生涯学習審議会が二十一日、札幌市内のかでる2・7で開かれた。道知事部局、道教委、道警における生涯学習関連施策の実施にかかわって、委員からは、各部局で専門的な資質・能力を有す...

(2016-11-24)  全て読む

道教委と職員団体が賃金確定交渉 人事委勧告どおり実施 差額の支給は29年1月に

 道教委と各職員団体との賃金確定交渉が、十七日未明から順次行われた。柴田達夫教育長は、給与改定について、「人事委員会勧告どおりに実施することとし、関係条例改正案を道議会に提案していきたい」と...

(2016-11-21)  全て読む

23件すべて認可可・了承 本年度第2回道私学審議会

 二十八年度第二回道私立学校審議会が十六日、道庁本庁舎で開かれ、学科設置にかかる学則変更認可など、二十三件の諮問事項について審議した。  諮問事項は、課程または学科設置・廃止認可が一件、学...

(2016-11-18)  全て読む

道教委が各所属長に要請 免許証確認など指導徹底 処分事案を受け再発防止で

 道教委は十六日、職員の交通事故・違反の防止を求める教育部長名通知を各部課長などに発出した。教育局職員が、運転免許証の有効期限切れに気づいていたのにもかかわらず、無免許で自家用車や公用車の運...

(2016-11-18)  全て読む

柴田教育長が教育行政視察 特色ある取組の充実期待 上川管内小学校など9施設

柴田教育長教育行政視察  【旭川発】道教委の柴田達夫教育長が十四~十五日の二日間、上川管内の教育行政視察を行った。学校や幼児センター、児童養護施設、上川教育局など九施設に足を運び、それぞれの特色ある取組について関心...

(2016-11-18)  全て読む

飲酒運転根絶へ指導を 胆振局が臨時道立学校長会議

 【室蘭発】胆振教育局は十一日、苫小牧東高校と室蘭栄高校で臨時道立学校長会議を開催した。両会場合わせ、道立学校長二十二人が参加。阿部清明局長は、"飲酒運転をしない、させない、許さない"という...

(2016-11-17)  全て読む

強い危機感もって 臨時校長会議開く―上川局

 【旭川発】上川教育局は十一日、上川合同庁舎で臨時道立学校長会議を開いた。学校職員による飲酒運転をはじめとした不祥事が相次いでいることを受けての開催。出席した学校管理職二十八人に向け、小野寺...

(2016-11-17)  全て読む

臨時教育長会議開く―上川局 不祥事防止を強く訴え 飲酒運転続発で小野寺局長

臨時教育長会議小野寺局長  【旭川発】上川教育局は十四日、上川合同庁舎で臨時市町村教委教育長会議を開いた。教育長など二十四人が出席。小野寺一郎局長は、学校職員による飲酒運転をはじめとした不祥事が続発していることに危機...

(2016-11-17)  全て読む

道が未来人財応援基金創設へ 海外で学ぶ若者を支援 4定道議会に条例案提出

 道は、「北海道未来人財応援基金」創設に向け、準備を進めている。知事公約や道のグローバル人材育成指針「北海道におけるグローバル人材の育成に向けて」の具体化として取り組んでいるもの。海外留学に...

(2016-11-16)  全て読む

どさんこ☆子ども十勝地区会議 いじめ根絶へ行動宣言 小中高生60人で協議

どさんこ☆子ども十勝地区会議  「十勝教育を考えるつどい」(五日、足寄町民センター)と同時進行で実施した「どさんこ☆子ども十勝地区会議」では、管内の小中高生約六十人が参加。「どさんこ☆子ども全道サミット」で話し合われた内...

(2016-11-16)  全て読む