実践の成果を普及啓発　西岡北中で「平和に関する教育」授業―札幌市教委

（市町村 2016-11-24付）

１年１組の授業を公開した

　札幌市教委は十八日、札幌市立西岡北中学校（須藤勝也校長）で「平和に関する教育」にかかる研究授業を開催した。授業公開のほか、研究討議を実施。平和教育の充実に向けて意見を交換するなど研鑚を積んだ。

　市教委では、札幌市研究開発事業として、「平和に関する教育」を実施。平和に関する教育の教材開発のほか、指導の工夫にかかる実践研究を行い、その成果の普及啓発を図っている。

　この日は、同校で研究授業を実施。一年一組「世界の中の平和について考えよう」（山本哲也教諭）を公開した。

　山本教諭は、本時の目標を「世界の悲惨な現状を知り、そのような状況の中でもただ黙ってなすがままに生きるのではなく、勇気をもち、自ら声をあげることで現状を変えようとしたマララさんの強い意志を理解し、自分の生活に生かせることを考えることができる」と設定した。

　山本教諭は、二十六年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの写真を提示。女性への教育の必要性や平和を訴える活動を行っていることを紹介した。

　また、マララさんの受賞スピーチ内容をプリントで配布。「声をあげてから殺される」の「声をあげて」の部分を穴埋め問題にするなど、マララさんが死を覚悟し、強い意志をもって平和のために活動に取り組んでいることを理解させた。

　スピーチを音読させた上で、「マララさんはどうして自分の考えを表明することにしたのだろうか」と問いかけた。

　生徒の「身近な仲間を大切にする」「平和のことを少しでも考える」などの発表を取り上げ、「今の自分にできることはないか」と問いかけた。

　生徒に考えをワークシートに記入させ、グループ交流を実施。お互いのワークシートを見て、その考えに対するコメントを記入するなど互いの考えが分かるよう工夫を凝らした。

　研究討議では、山本教諭が授業について説明したほか、平和教育の在り方や道徳教育における重点など意見を交換した。

(市町村 2016-11-24付)