9年間見通した指導充実へ 沼田町一貫・連携教育研究大会開く(市町村 2016-11-24付)
小学3年生国語の授業「くらしと絵文字~オリジナル絵文字を作ろう」
【岩見沢発】沼田町一貫・連携教育研究大会が十一日、町立沼田小学校(元木和芳校長)および町立沼田中学校(小川勉校長)で開催された。空知管内外の教育関係者百六十人が参加。小中合同の研究主題「自ら進んで考え、学び合う児童・生徒の育成~各教科の言語活動の充実」のもと、公開授業や研究協議を通して、義務教育九年間を見通した教育の推進に向けて研鑚を積んだ。
両校は、道教委の「小中連携、一貫教育実践事業指定校」および「地域連携研修指定校」の指定校。本年度から小・中学校で研究主題を一本化して研究を推進している。
小中合同運動会など合同行事のほか、六年生が中学校で一日を過ごす中学校登校、中学校教師が小学校へ乗り入れし、TTとして授業を行うなどの取組を進めている。本年度からは研究体制を見直し、小中合同による研修を開始した。
この日、小学校会場では小学一~五年生までの国語、算数、音楽、外国語活動を、中学校会場では小学六年生および中学一~三年生の音楽、体育、社会、理科の授業を公開。このうち、小学校の算数、外国語活動、音楽を中学校教師とのTTによる乗り入れ授業で行った。
小学三年生国語「くらしと絵文字~オリジナル絵文字を作ろう」(畑友香教諭)は、八時間扱いの七・八時間目。
前時までに、様々な絵文字やその特徴を紹介し、説明文の構成や段落のつながりを理解する授業を進めてきた。
本時の目標は、「自分の考えを交流し、読む人が分かりやすいように文章構成に気を付けて説明文書くことができる」。
授業では、笑顔の人物、太陽、星が描かれた絵文字に関する分かりやすい説明をグループで話し合い、内容を発表した。
発表のあと、児童たちは分かりやすく説明するために必要なものとして、「始め、中、終わりと分けて書く」「呼びかけ、接続語を正しく使うことが大切だと思う」と発表した。
授業後の分科会では、文系・理数系・芸体系・家庭との連携の各ブロックでワークショップを実施した。
午後からの開会式では、大会長で町教育振興会会長を務める元木校長が「児童生徒にとって最大の教育環境である教師が校種の枠を越えて連携し、指導方法を学び合い、交流することで、授業や生徒指導などの教師力の向上、さらに学校力向上に大きく寄与する」とし、「研究大会が今後の実践の一助になれば」と期待した。
空知教育局の小山茂樹局長は「きょうの内容をあすからの実践に生かし、義務教育九年間に責任をもつ教育の推進につなげてほしい」と呼びかけた。
また、町教育振興会研修部長を務める沼田小の林努教諭が、一貫・連携教育の成果と課題、小中合同運動会や乗り入れ授業などの取組を発表した。
◆小学校外国語を再定義 道教育大・萬谷教授が講演
このあと、道教育大学札幌校の萬谷隆一教授が「小中一貫教育と外国語活動」と題して講演した。
萬谷教授は、少子化の進行、教育制度と発達段階のずれ、教育の活性化などを踏まえ、九年間を見通した小中連携・一貫教育の重要性をあらためて指摘。授業形態、指導方法、評価方法、生徒指導の手法など、小・中学校間の差異や特徴を挙げ、学習規律や指導の統一などといった一貫教育のメリットを示した。
また、小学校の外国語科導入に向けた連携の課題、指導内容の差別化についてふれた。中学校教諭が小学校段階の外国語を理解し、その役割を再定義する必要性があるとし、「小学校での教育の成果を引き継ぎ、発展させるための変化が大切になっていく」と語った。
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講演する萬谷教授
(市町村 2016-11-24付)
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