教委会議で学力議論―道教委 求められる学習観の転換 チャレンジテストの活用を
(道・道教委 2016-12-09付)

 道教委の二十八年第二十四回教育委員会会議が七日に開かれ、本年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書をもとに、学力向上の取組について意見が交わされた。中で、「学習観の転換が現場に求められている」「チャレンジテストを全学校、全学年で活用してほしい」などの意見が出た。

 北海道版報告書では、学校質問紙調査と児童生徒質問紙調査の結果を比較。

 授業の中で目標を示す活動について、学校質問紙調査では、小学校の六八・七%、中学校の五六・五%が「よく行った」と回答した。一方で、児童生徒質問紙調査では、授業の中で目標が示されたと感じた小学生は四九・六%、中学生は四一・二%。小学校で一九・一ポイント、中学校で一五・三ポイントの開きがあった。

 このほかにも、授業の最後に学習したことを振り返る活動、主体的・対話的で深い学びに関する質問でも、学校と児童生徒の認識に差がみられた。

 会議では、このことが取り上げられ、委員からは、「子どもたちにきちんと伝わっていない。学校の取組として、先生方一人ひとりが、その活動がなぜ大切なのかを認識するところまでになっているのかを、検証することが必要ではないか」との意見が出た。

 北海道版報告書では、質問紙と学力のクロス分析の結果、「先生は、あなたの良いところを認めてくれていると思う」との質問に、「当てはまる」などの肯定的な回答を寄せている子どもほど、教科の平均正答率が高いという傾向がみられた。

 この点について、ある委員は、「子どもは、自分を見てくれる、認めてくれる人が大好き。もっと認めてもらいたいから、きちんと授業を受ける」と指摘し、教員一人ひとりに、この調査結果をしっかりと伝えるよう求めた。

 ほかの委員は、「本道の子どもたちの学力は上がってきており、これまでの道教委の施策、学校や市町村教委の取組の成果が出ている。あと一歩のところまで来ている。それは、子どもたちが筋道を立てて考え、自分でまとめて、表現する力。これは、従来の学習スタイルでは身に付かない。学習観の転換が現場に求められている」と指摘。

 また、道教委が提供するチャレンジテストには、指導すべき内容、授業改善のポイントがきちんと盛り込まれていると評価し、「全学校、全学年でぜひ活用してほしい」と求めた。

(道・道教委 2016-12-09付)

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