第６７回農ク全国大会区分Ⅰ類　名寄産業高が優秀賞受賞―酪農科学科「太陽のメロン」

（学校 2016-12-13付）

優秀賞を受賞し、笑顔をみせる研究班のメンバー

　【旭川発】名寄産業高校（増田雅彦校長）酪農科学科のメロン研究班が、第六十七回日本学校農業クラブ全国大会の区分Ⅰ類（生産・流通・経営）で全国優秀賞に輝いた。研究テーマは「極上！太陽のメロンを全国へ！～Ｂｒａｎｄｉｎｇ３つの戦略」。地域や関係機関と協働し、研究してきた成果が実を結んだ。

　酪農科学科のメロン研究班は、三年生の丸岡拓哉君、夏井士郎君、菅原克也君、二年生の夏井若菜さん、中村彩花さん、池田創太君が所属。名寄農業高校時代からの先輩の研究を引き継ぎ、同校ＯＢの地元農業経営者や、上川総合振興局と連携しながら、農薬や化学肥料を使わないメロンの有機栽培に取り組んできた。

　メロンを栽培するハウス内の土壌に、病原菌の発生を抑制する細菌を混ぜて病害を防ぐとともに、害虫が好む草をハウスの周辺に植え、ハウス内に侵入しないよう工夫。さらに、害虫の天敵となる虫をハウス内で生育させるなど、様々な対策を講じ虫害の予防に努めた。

　このほか、消費者の目を引くパッケージ開発や二週間の期間でインターネット通販に挑戦。コンセプト「宝石箱メロン」を実現したメロンが出来上がった。

　同班は、昨年の全道大会で最優秀賞を受賞し、全国出場切符を獲得した。十月下旬に大阪府で行われた全国大会の区分Ⅰ類（生産・流通・経営）に出場。多くの先輩の思いを受け継いで、十一年前から続けてきたプロジェクト研究の成果をスライドで発表した。

　審査の結果、科学的分析に基づいた発表や丁寧な質疑応答などが高く評価され、全国優秀賞を受賞した。

　発表者を務めた中村さんは「とても緊張したが、大きな声でゆっくりと分かりやすく、強調したい点ははっきりと伝えることを意識した」と振り返った。

　リーダーの丸岡君は「毎日プロジェクト研究を続けてきた成果が結果につながった」と笑顔をみせていた。

　重堂法人教頭は「難しいとされるメロンの有機栽培を成功させ、有機食品の規格であるＪＡＳ認証も取得するのはめったにないこと。農薬を使って栽培すると、多くの種類の化学薬品を使い費用がかさむため、経済的な面からも有意義な研究。大会のⅠ類で入賞できたことは名誉」と話していた。

　増田校長は「道内勢の入賞は久しぶりの快挙。今回の受賞は、学校と地域が一緒になって取り組んだ成果。地域みんなで受賞を喜んでいる」と述べ、生徒たちのさらなる活躍を期待した。

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試行錯誤の末、大きく実った有機栽培メロン

(学校 2016-12-13付)