札幌市厚別東小が実践発表会　ＩＣＴで主体性引き出す　協働学習開発の成果紹介

（学校 2016-12-12付）

４年１組では、デジタルリーフレットを教材に、考える力を育てる授業を展開した

　札幌市立厚別東小学校（足立教校長）は二日、同校でＩＣＴ教育実践発表会を開催した。研究主題「学習科学に基づく”二十一世紀型スキル”形成を促す協働学習の開発～ＩＣＴ機器を活用した実効性のある学習づくりを通して」のもと、総合的な学習の時間二授業を公開。ＩＣＴ機器の活用を通して、児童の主体的な学びを引き出す実践の成果を紹介した。

　同校は、昨年度よりパナソニック教育財団の特別研究指定校として助成を受けており、研究主題のもと、「自ら学び、自ら考える力の育成」を目指し、授業づくりを進めてきた。本年度は二ヵ年研究の最終年度。

　この日、公開した授業のうち、四年一組「魅せよう！デジタルリーフレット」（福島優介教諭、児童数三一人）は、二十時間扱いの十三時間目。本時の目標を「レイアウトを考えながら、リーフレットを見直すことができる」「リーフレットをよりよくするための意見を出し、みんなで協力しながら見直すことができる」と設定した。

　福島教諭は冒頭、前時までに、野幌森林公園の魅力を紹介するデジタルリーフレットを作成したことを振り返ったあと、見本として福島教諭が作成したリーフレットを掲示。児童に、見づらい点や分かりづらい点があれば発言するよう呼びかけ、児童は「見出しが長い」「写真がルーズで見づらい」などと意見を発表した。

　それを踏まえ、福島教諭は「読みたいと思うリーフレットをつくるにはどうすればいいか」と児童に問いかけた。児童は、グループに分かれ、タブレット端末を活用しながら、作成したリーフレットがより見やすくなるよう改善した。

　このあと、グループごとに改善したところを発表。「見出しの色を変えた」「写真に説明文を付けた」など、様々な工夫点を挙げていた。

　最後に、福島教諭は「見出しや写真の使い方を工夫することで、初めて来る人にも見やすく、分かりやすいリーフレットになる」とまとめた。

　授業後には、研究協議会、「協働的な学びとタブレット端末～これからの子どもの学びは、どう変わっていくのか」と題し、放送大学教授の中川一史氏による記念講演を行った。

(学校 2016-12-12付)