むかわ町仁和小閉校記念式典挙行　１２３年の重みかみしめ　惜別の思い胸に伝統継承

（学校 2016-12-08付）

在校生全員で別れの言葉を述べた

　【室蘭発】来年三月末をもって百二十三年間の歴史に幕を閉じるむかわ町立仁和小学校（柿崎秀顕校長）の閉校記念式典が十一月中旬、同校で執り行われた。児童や教職員、保護者、同窓生、来賓など多くの関係者が一堂に会し、これまでの歴史と伝統を振り返りながら、同校との別れを惜しんだ。

　同校は明治二十二年、似湾簡易教育所として開校し、昭和二十二年に仁和小学校へと校名を改称。学校教育目標に「進んで学び、最後までやりとげる子」「温かい心をもち、互いに助け合う子」「よく考え、丈夫な体で生き抜く子」を掲げ、知・徳・体の調和のとれた児童の育成を目指し、創意ある教育活動を展開してきた。その間、同校では二千人以上の卒業生を送り出してきた。

　ピーク時は、約二百八十人の児童が在籍していたが、校区の過疎化に加え、少子化が進行したことから、本年度限りで閉校することとなった。在校生は、来年四月から穂別小学校に通学することとなる。

　この日、竹中喜之町長が式辞。過日行われた閉校記念学習発表会を振り返り、「子どもたちの豊かな表現は、“くいを残さず、心に残る最高の学習会”というスローガンを十分すぎるほどに達成していた」と高く評価した。その上で、在校生に対して、「これまでより大勢の友達と学ぶことになる。校歌のように、手をつなぎ励まし合ってしっかりと学び、大きく成長することを期待している」と呼びかけた。

　続いて、長谷川孝雄教育長と柿崎校長があいさつ。長谷川教育長は「築いた輝かしい実践教育は、町の教育の伝統として継承され、これからの町の発展に大きく貢献するものと確信している」、柿崎校長は「同校での教育は、心の財産であり、子どもたちが未来に向かい大きく飛躍するための礎になるものと信じている。新たな門出と子どもたちが歩む道を末永く見守っていただくようお願いしたい」と述べた。

　来賓あいさつでは、胆振教育局の阿部清明局長が登壇。「多くの方々に惜しまれながら閉校となるが、積み上げられた歴史と伝統は、穂別小に引き継がれ、地域の方々はもとより、卒業生や在校生の心に刻まれ、脈々と生き続けていく」と語った。

　このあと、全校児童が「小さい学校だったからこそ、上級生と下級生の交流も深まり、みんなで切磋琢磨して成長することができました」「仁和小の伝統で自慢だったきれいなあいさつを、これからも続けていきます」「最後の卒業生ということを誇りにして、これからも頑張ります」などと別れの言葉を述べた。

　引き続き、校旗を返納したあと、参加者全員で惜別の思いを込めて校歌を斉唱した。

(学校 2016-12-08付)