国研指定・石狩市生振小が研究発表会 体験軸に課題解決力育成 ESDの視点踏まえ総合・体育公開
(学校 2016-12-08付)

石狩市生振小研究発表会
自らの取組が、どのように平和に結び付いているのかを考え合った

 国立教育政策研究所のESD(持続可能な開発のための教育)に関する教育課程研究指定を受けている石狩市立生振小学校(阿部紀江校長)は十一月下旬、同校で研究発表会を開いた。一年生体育と六年生総合的な学習の時間の計二授業を公開。ESDの視点を踏まえ、児童自ら課題を見いだし解決する力の育成を図るとともに、授業展開における指導方法や教材開発の工夫などを目指した実践の成果を示した。

 同校は、二十七~二十八年度の二ヵ年で、国研における同事業の指定を受けている。二十二年度のユネスコスクール認定を踏まえ、研究主題を「ユネスコスクールとして地域に根ざした体験活動を基軸とするESDの探究~ふるさとでの学びを発信できる子どもの育成を目指して」と設定。目指す子ども像として、①自ら課題を見つけ学ぶことができる子②協働して学び合うことができる子③学びを発信できる子―の三つを挙げた。

 この日は、一年生体育、六年生総合学習の二授業を公開した。

 うち、六年一組「ユネスコスクールの一員として」(吉田尚規教諭、児童数一五人)は、九時間扱いの五時間目。単元を通して、ユネスコが設立された背景やユネスコスクールについて調べることで、「平和」とは何かを考えさせることが目標。本時では、これまでに総合学習で実践してきた取組や学びが、平和につながっていることを理解させることをねらいとした。

 吉田教諭は導入で、前時までの学習を振り返り、「〝平和〟は、争いや戦争がなく幸せに暮らせること」と、まとめたことを確認した。

 これを踏まえ、「自分たちが今まで取り組んだことは、“平和”とどのようにつながっているのか」と発問。児童たちに、これまで総合学習で取り組んだ「服の力プロジェクト」「ユネスコファーム」「世界寺子屋運動」の三つを振り返らせた。

 三つの取組を通して、「人はどんな“幸せ”を感じただろうか」と問いかけ、自分たちの取組が平和とどのようにつながっているのかを考えるよう促した。

 児童たちは、取組ごとに「支援する人」「支援される人」それぞれの立場に立った思いや考えを付せんに書き込んだあと、グループごとに模造紙に張り、意見を交わした。

 うち、「服の力プロジェクト」において児童たちは、支援される人の“幸せ”として、「服を着ることで寒さを防ぐことができる」「けがを少なくすることができる」などと挙げた。支援する人の“幸せ”については、「着ることができなくなった服を誰かに着てもらえるからうれしい」「難民の人たちの笑顔がうれしい」などの意見を挙げた。

 吉田教諭は「私たちの取組で、たくさんの人たちを“幸せ”にすることができるんだね」とまとめた。

 このあと、国研教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官初等中等教育局教育課程課教科調査官の濵野清氏が「学校教育で求められるESDとは?~今、期待されていること、これから期待されること」と題して講演した。

(学校 2016-12-08付)

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